山陽新幹線・岡山~博多間開業までの5年間(1970~1975年)の動き トンネル掘削・レール敷設・試験走行から “一番列車” 出発式まで 初代「ドクターイエロー」や「新幹線911形ディーゼル機関車」などの走行シーンも 当時のニュース映像から
トンネルの両側から掘り進めていた作業員が貫通地点で出会い握手をしています。そして万歳のあと、お祝いのお酒が振る舞われています。 ■レール施設には国鉄“最新鋭”の運搬敷設機 架線工事も本格化 1973(昭和48)年7月17日 県内で初のレール敷設工事始まる 1973年7月、広島県内で初めて新幹線のレールを敷く工事が福山市で始まりました。当時のニュース原稿には、「国鉄最新鋭のスラブ運搬敷設機で、軌道スラブを次々と敷設していった」とあります。 軌道スラブとは長さ5メートル、重さ5トンあるコンクリート製の板のことでレールの下に敷くものです。この工法は、従来の砕石を使ったものに比べて安定性やメンテナンス性に優れ、山陽新幹線から本格的に採用され、その後の新幹線の主流となっています。 1974(昭和49)年6月5日放送 / 架線工事が本格化 開業を翌年に控えた1974年になると、新幹線に関連した様々な動きを伝えるニュース映像が増えていきます。こちらは「五日市トンネル」の入り口付近で行っていた架線を張る工事です。架線を巻いたドラムと作業員を積んだ車両が時速3キロというゆっくりとした速度で動いていき、作業員が架線を張っていく様子が映っています。 ■初代“ドクターイエロー”もテスト 貴重なディーゼル機関車走行シーンも 1974(昭和49)年9月2日放送/「ひかり」編成で福山に 開業半年前の9月になると、実際の新幹線車両を使った試験走行が本格化していきます。新幹線が「ひかり」編成で、岡山側から走行試験のために福山までやって来たことを伝えるニュース映像です。 沿線には子どもたちが新幹線に向かって手を振っています。福山駅に到着する新幹線の手前には福塩線のホームに停まっているのは福塩線の車両とみられます。 1974(昭和49)年9月6日/軌道試験車が初めて広島駅に 広島と福山の区間では敷かれたレールに高さの違いやゆがみなどがないか、ディーゼル機関車が黄色い試験車両を牽引してチェックしている様子が残っていました。この黄色い車両が軌道検測車で牽引しているのが「新幹線911形ディーゼル機関車」と呼ばれるもののようです。