関東唯一のリニア車両基地、相模原で着工…「自然とふれあえる空間を」地元要望でビオトープ整備へ
リニア中央新幹線の関東車両基地(相模原市緑区鳥屋)が25日、着工した。JR東海によると車両基地は関東地方ではこの1か所だけで、JR橋本駅(同区橋本)の南側に建設中の神奈川県駅(仮称)から、本線と回送線を合わせて13キロの線路を進んだ先に整備される。用地造成は2027年9月までに終える予定で、施設は開業までに完成させる。 【動画】これは貴重…リニア中央新幹線「神奈川県駅(仮称)」、今だけ見られる地下空間
JR東海によると、現地は農地や住宅、山林などがある場所。同社は約100ヘクタールの用地を取得し、約60ヘクタールを車両基地用地として造成する。10月末時点で用地の約9割は取得済みという。
車両基地内には、リニア新幹線の16両編成の車両が並んでとめられる留置線10本や、車両の検査・整備などを行う検修庫などが建設される。検修庫は名古屋開業までに1棟、大阪開業までにもう1棟建設予定。
建設に伴い生物の生息・生育空間が改変されるとして、ビオトープも整備される。地元から「自然とふれあえる空間を整備してほしい」との要望があり、一部通路を散策路として、一般の立ち入りができるようにすることも検討している。
25日は、現地で安全祈願などが行われ、JR東海や地元、工事関係者ら約30人が出席した。JR東海の新美憲一・常務執行役員・中央新幹線建設部長は「工事を進めるにあたっては、引き続き地域の皆様と対話をしながら、関係行政機関とも連携の上、安全を最優先に進めていきたい」とあいさつした。