“有害な人”に惹かれてしまう…「ダークトライアド」の特徴と注意点
相手の有害性に気づきにくい理由
エセックス大学の社会・人格心理学者であり、恋愛における信頼・依存関係を研究するヴェロニカ・ラマルシュ博士は、この実態について次のように説明。 「恋に落ちやすく、恋愛がもたらすポジティブな側面にばかり目を向けがちな人は、ダークトライアドの特性が高い相手との恋愛関係に陥りやすいと言えるかもしれません。相手の自信に満ちた、魅力的に見える外面ばかりに目がいって、ネガティブな面に向き合う時間がないまま、無防備な状態になってしまうからです」
ダークトライアドとの交際で起こりえること
ダークトライアドの特性を持つ人たちは、付き合いはじめの頃こそ魅力的に思えるかもしれません。でも、時間が経ち、二人の関係が深まるにつれて様子が変わってくることが多いとラマルシュ博士は言います。 「彼らはしばしば、膨れあがった自尊心と、他者への感情的な無関心さの両方が見られます。また、他者を思いどおりに操ることにも長けている場合が多く、自分が欲しい結果を得るためにどう振るまえばいいのかを知っています」 「たとえば、誰かに何かをしてもらうためにお世辞を言ったり、非現実的で壮大な誓いをたてたりするかもしれません。時間が経つにつれ、他者の感情を軽視する態度や欺瞞に気づくでしょう」 健全な恋愛関係を築くためには、お互いに心を開き、無防備にならなければなりません。この過程は、恋人やパートナーが求めているものに関心を持ち、思いやりのある人とであれば、お互いにとって良い経験となるでしょう。 「一方で、ダークトライアドの特性が高い人たちが恋人やパートナーだった場合には、他者の感情に目を向けることが少なく、相手の気持ちに鈍感です。そうして最終的には、相手の信頼や無防備さを利用する可能性すらあるのです」 人間関係において相手に心を開き、信頼し、そして無防備になることは、非難や批判されるべきことではありません。これはむしろ健全な恋愛関係の核となるものだからです。むしろ問題なのは、そういった相手の感情を利用してコントロールしようとする人だと、ラマルシュ博士は強調します。 ただし、ダークトライアドの特性を持ちつつもその度合いが低い人も存在しているので、すべてがこの例に当てはまるわけではありません。