5月に千葉で開催、空のF1「レッドブル エアレース」とは?
千葉市で初開催される背景とは?
これまでニューヨークはじめ、 イスタンブール、サンフランシスコ、バルセロナ、ブダペスト、ベルリン、リオ・デ・ ジャネイロ、ロンドンといった世界有数の都市で開催されてきたが、日本では開催されておらず、レッドブル・エアレースにとって「日本での開催は長年の夢」だったという。 レッドブル・エアレースは、日本開催に向けて首都圏近郊を中心に候補地を探していたが、まっすぐな人工の海岸線があり、音楽イベントや花火大会など大型イベントを多数開催してきた実績がある千葉市に注目。レッドブル・エアレース側から千葉市に開催希望を打診した。 1912年、日本で初めての民間飛行場が開設されたのが同市の稲毛海岸とあって、日本の民間航空発祥の地として知られていることもあり、同市の全面的な協力が得られ、日本初開催が実現した。2日間で10万人の人出が見込まれており、大会名誉会長には、熊谷俊人・千葉市長が就任している。
使用機体とレースのルール
レースは専用に設計された機体で行う。ラインアップは「EDGE 540」、「MXS-R」、「CORVUS RACER 540」の3機体。それぞれ、スピードと耐久性を追求するため、主翼にカーボンファイバー製対称翼を採用するなど限界まで軽量化。最新の戦闘機でも不可能な高速での垂直上昇と下降が可能といい、10Gにも耐えられる機体だ。また、2014年からは、各チーム共通のエンジンとプロペラの使用が義務付けられているため、空気力学に基づいた機体改造と、パイロットのスキルの向上に一層取り組むようになっている。
レーストラックには、空気で膨らませた高さ25mのエアゲート(パイロン)が設置されており、これを通過しながら2周する。5kmを飛行して最速タイムを競うが、厳格なルールがある。主だったルールは次のとおりだ。 ・パイロンへの接触は2秒ペナルティー。3回接触した時点で失格 ・飛行速度が時速370km(200ノット)を超えた場合、 - 時速372km(200.99ノット)まではセーフ - 時速372~374km(201~201.99ノット)までは1秒のペナルティー - 時速374km(202ノット)を超えた場合は失格 ※当初は200ノットだったが、最高速度で進入する際、風向きなど些細なきっかけで速度が瞬時に変わって失格になるケースが多発したため、2014年の7月にルールが変更され幅を持たせた ・重力加速度が10Gを超えた場合は失格 ・飛行中にスモークがたかれていない場合は、人為的、技術的エラーに関わらず1秒のペナルティー ・パイロンの上空を飛行した場合は2秒のペナルティー