「お墓を生前に購入」「孫と養子縁組」で税金を減らす…目からウロコの「相続税対策」【相続専門公認会計士が解説】
孫との養子縁組が「節税」につながるワケ
相続税の基礎控除額は法定相続人の数に影響されるので、法定相続人が多いほど「基礎控除額」も大きくなり、相続税は減額します。そこで、相続税対策として、孫と養子縁組をして法定相続人の数を増やすという方法もあります。 法定相続人を増やすとこんなメリットが! 養子縁組で法定相続人を増やすメリットは次の3つです。 1つ目は「基礎控除額を増やせる」ことです。相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」なので、法定相続人が1人増えるごとに600万円ずつ多くなります。 2つ目は「生命保険金と死亡退職金の非課税枠が増える」ことです。生命保険金と死亡退職金の非課税枠は「500万円×法定相続人の数」です。法定相続人が1人増えるごとに500万円ずつ多くなります。 3つ目は「税率が下がる可能性がある」ことです。法定相続人の数が増えると、各相続人の法定相続分が減るため、結果的に適用される税率も下がる可能性があります。 これら3つの効果によって、相続税も減額されます。ただし、相続税法上、養子縁組で法定相続人になれる養子の人数には制限があります。実子がいない場合は「2人」まで、実子がいる場合は「1人」までです。 孫を養子にするとデメリットもある 孫を養子にした場合、相続税対策の観点から考えるとメリットがあります。ただし、養子になった孫には相続税額が2割加算されるというデメリットもあります。 通常の相続では「親から子供」「子供から孫」の順番で相続が行われます。一方、祖父母が孫を養子にすると「祖父母(養親)から孫(養子)」への相続になり、相続を1回免れることになるため、孫養子の場合は相続税額が2割加算になります。孫を養子にする場合は、通常の相続と比較してどちらが相続税を多く支払わなくて済むかも検討しておきましょう。 POINT 祖父母が孫を養子にすると「祖父母(養親)から孫(養子)」への相続になり、相続を1回免れることになるため、孫養子の場合は相続税額が2割加算になります。 イラスト ©中山成子 石倉 英樹 相続専門の公認会計士/税理士 兼 社会人落語家 ※本記事は『税金のことが全然わかっていないド素人ですが、相続税って結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
石倉 英樹