女性の進路選択を広げるには?「ビリギャル」小林さんらが思うこと
■「朝日地球会議2024」オンラインセッションから 日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中118位。変えるきっかけを大学から作りたい。大学が変われば、入学前の高校生、卒業後の社会人、親の意識も変わるかもしれないから――。そんな思いで開かれた「朝日地球会議2024」のセッション「ジェンダー平等 まず大学が変わらないといけない件」。女性の進路選択の幅を狭めるものは何か。出席者は周囲にある無意識の女性蔑視ではないかと指摘した。 【写真】小林さやかさん 「なぜ理系に女性が少ないのか」の著者で東大教授の横山広美さんは「日本女性は理系のスコアが高いのに『先天的に理系は男性の方が得意』という誤認識のせいで、理系選択が少ない。正しい情報を伝えていく必要がある」と話した。小林さやかさんは偏差値を40も上げて慶応大に合格した「ビリギャル」の本人で、米コロンビア大の教育大学院にも留学した。自身の経験と重ね、「モチベーションを持つためには『自分はできる』『やりたい』と思えることが大事。日本の教育で欠けているのはここ。私も理系は無理って思い込んだまま大人になった」と語った。 大都市の大学に若者が集中すれば地方が衰退しないかも議論になった。日本総合研究所の藤波匠さんは、「普通の企業がIT人材を雇い、DX化を進める流れがこれから一般的になっていく。IT人材の給料は地域差がほとんどないというデータもある」と説明。「東京で学んだ理系女性が地方に戻って高い賃金で就職することもできるようになる」と地方で魅力的な就職先が増える流れに期待した。 地方女子の進学の選択肢を広げることを目指す「#YourChoiceProject」の大学生2人も参加した。代表の江森百花さんは「このような議論を国レベルで行い、早く変わってほしい」と望んだ。(コーディネーター・伊藤あかり)
朝日新聞社