企業Webサイトはオワコンなのか? これからの10年を予測
これから10年で変わっていくと予想されることは?
■ 企業Web担当者に求められる役割の幅は広くなる
石井氏は「テクノロジーが発展し、Webサイトの制作方法も変わっていくので、その対応をWeb担当者は求められるようになる」と語る。さらに、「あらゆるお客さまとの最初のタッチポイントとしてWebサイトやSNSがあるので、Web担当者は企業としてどうあるべきか、大きな視点で考えるくせをつけていかなくてはいけない」と話した。
また石井氏は、この先もコーポレートサイトはあり続けると考えている。富士フイルムとしてのオフィシャルな見解を示す場所として、公式サイト、公式なチャネルが必要だと捉えている。 ■ モバイルファーストのその先へ 長氏も、情報の一次ソースとして企業公式サイトは信頼性を担保するもので必要だという考えだ。しかし、コーポレートサイトの中だけで収まるのではなく、コンテンツが外に拡張しており、モバイルファーストのその先を考えていく時代に入ってきている。 また、現在では、Webサイトも含め、コンテンツに対して感覚的に操作できることが生活者にとっての心地よさにつながっている。「企業のコンテンツも、もっと感覚的な操作、アフォーダンスを考えたものを作る必要があるのではないか」と長氏は語る。
┌────────── コーポレートサイトは情報が追加され続けていて、生活者にとっては探しにくい、見つけにくいという状態になってきているので、これからは各デバイス・コンテンツを通じたシンプルな感覚的操作がより重視されるようになると思います(長氏) └──────────
これを受け、長谷川氏は「社会全体で情報が増えていることを前提として、企業の情報の何を見ればいいのか、サービスを知る際にどこから見ればいいのか、それを考えていかないといけない」と語り、次のようにコメントした。 ┌────────── 私はインフォメーションアーキテクトが専門で、20年前はWebの構造をカスタムメイドしていましたが、今はこういう商品群ならこのパターンでいけばいいというのが一般化して、むしろカスタムメイドしないほうがよくなっています。 さらに、人が感覚的な操作を好むようになってきていて、大学生の中にはWebページの上から下までの全部を読んだことがないという人もいます。みつけた箇所だけで判断する状態になってきていますから、こうした時代にどう対応していくのかが大切になってきます。同時に、情報の信頼性、正しさを誰が担保するのかといったことが課題になると思います(長谷川氏) └──────────