労基署が宝塚歌劇団に是正勧告 フリーランス俳優、労働者と認定
宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)と運営する阪急電鉄は6日、宙組所属の俳優の女性=当時(25)=が昨年9月に急死した問題を受け、俳優らの労働実態を調べていた西宮労働基準監督署(同県西宮市)から5日に是正勧告書を受け取ったと発表した。業務委託契約を結ぶフリーランスの俳優を、実質的には雇用された「労働者」だったとみなし、労務管理の不備を指摘する内容という。 歌劇団と阪急電鉄は「是正勧告を重く受け止めて適切に対処し、改革に向けた取り組みを続けていく」とのコメントを出した。 歌劇団では、入団1~5年目は雇用契約、6年目以降は業務委託契約としている。関係者によると、勧告では、6年目以降でも、事実上の労働者に該当する場合があると認定。違法な時間外労働などの是正を求めたとみられる。 女性はフリーランスとして歌劇団と業務委託契約していた。ただ遺族側は、指示に従う立場で事実上の労働契約だと主張。死亡までの約1カ月の時間外・休日労働を推計すると、「過労死ライン」を大幅に超える277時間に上ったと指摘していた。