【皐月賞】サンライズアース 無傷3連勝で世代の星へ G1馬・クロフネ手掛けた腕利き厩務員が姿重ねる好素材
「皐月賞・G1」(14日、中山) 前走すみれSを快勝し、デビューから2戦2勝のサンライズアースが無傷の3連勝でG1初制覇を狙う。豊富なスタミナと並外れたパワーが武器の大型馬だが、担当するのは渡辺勉厩務員(60)だ。姿を重ね合わせるのは、かつて自らが手がけ、NHKマイルC、JCダートを制したクロフネ。歴史的名馬を彷彿させる好素材馬が、ライバルたちをねじ伏せる。 腕利きの世話役もうなる素質馬が1冠目に挑む。新馬戦-すみれSと連勝中のサンライズアース。担当するのは、かつて松田国英厩舎でクロフネやブロードアピール、現在の石坂厩舎でテオレーマなどを手掛けた渡辺厩務員だ。 ベテラン厩務員はこう切り出した。「去年の夏から担当しているけど、パワーとスタミナに関しては、今までやった中ではここまでの馬はいなかったかな」。長年のキャリアをもってしても比肩するものはないというほどの能力を感じつつ、「体がでかくて力任せで不器用で、クロフネに似ている」と歴史的名馬と重ね合わせる。「クロフネは紳士だったけど、この子はまだ子ども」。現状ではまだ幼さを残すが、裏を返せば伸びしろは抜群にあるということだ。 新馬戦から4キロ増の542キロで挑んだ前走はやや太めに感じ、「これで勝ったらヤベえなと思っていた」と振り返る。しかし終わってみれば、そんな疑心暗鬼な見立てを吹き飛ばす勝ちっぷり。向正面から一気に進出し、3角の時点では逃げたミカエルパシャと並ぶ形で先頭へ。豊富なスタミナを生かして、後続とは決定的な着差(1馬身半)で押し切ってみせた。 そして迎える大一番。「仕上げは今までの2戦よりも攻めたイメージ。牧場でもしっかりやってもらった分、絞れてくると思う。自分のストライドに徹して、どこまで戦えるか楽しみだね」。暮れのホープフルSは左前挫石で出走回避。ゲートインがかなわなかったあの時と同じ舞台で、クラシック獲りを狙う。