インターネット上での「ヘイトスピーチ」が大きな問題に…“偏見・差別”解消に向けた法務省の取り組みとは? 専門家が解説
◆ヘイトスピーチをなくすために必要なアクションは?
日本では、2016年6月より外国人に対する差別的言動の解消を目的とした「ヘイトスピーチ解消のための法律」が施行されました。 この法律について、杉山さんは「『特定の国や地域の出身者、その子孫に対して危害を加えたり、著しく侮蔑したり、地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動を許さない』ということを宣言し、国や地方公共団体に対して不当な差別的言動を解消するために、さらなる人権教育や人権啓発などの施策を講ずることを求めています。 また私たち国民も『差別的言動の解消が必要であることを理解して、差別的言動のない社会の実現に努めなければならない』という内容も盛り込まれています」と解説。ヘイトスピーチ解消のために私たちができることの1つは、外国の方々に対する理解を深めることです。 とはいえ、ヘイトスピーチだけでなく、言語や宗教、生活習慣などの違いから外国人をめぐってさまざまな人権問題が起きています。そもそも「人権」とは“すべての人々が生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利のこと”ですが、残念ながら“外国人だから”という理由だけで、アパートへの入居や、宿泊施設の利用などを一律に拒否される事案などが起きています。さらには、言葉の壁があるとコミュニケーションが取りづらくなるため、トラブルを避けようとするあまり、外国人を一律に断ってしまう不適切な対応を取ってしまうケースも。 それらを解消すべく、法務省では外国の方々に対する理解を深めるため、全国の都道府県や市町村と協力しながらシンポジウムを開催しているほか、ポスターや啓発映像をホームページで公開しています。また、全国の法務局でヘイトスピーチによる被害など、人権に関する問題で悩む人に対して、誰でも対面で相談できる窓口を設けています。 そのほか、電話で相談できる「外国語人権相談ダイヤル」やメールで相談できる「外国語インターネット人権相談受付窓口」もあり、10の言語で対応しています。なお、日本語での相談が難しい方が周りにいる場合は、法務省ホームページの「外国人のための人権相談」を紹介してあげてください。 最後に杉山さんは、「ヘイトスピーチは、言われている人々の心を傷つけたり、そのような人々に対する差別を生じさせる恐れがあり、いかなる社会においても決してあってはならないものです。大切なのは、外国人に限らず人と人とがお互いの理解を深めて、尊重しあうことです。思いやりの気持ちを持ち続けていきましょう」と呼びかけました。 番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「ヘイトスピーチ」について復習します。村上は“違いもステキ”と注目ポイントを挙げ、「“違い”をポジティブに捉えていければ変わっていけるのかなと思います」と考えを述べると、杉浦も“違いを認め尊重し合う”と掲げ、「ネガティブに捉えると壁ができちゃうけれども、それをポジティブにできれば、もうラブ&ピースですよ!」と笑顔で話していました。 (TOKYO FM「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」6月16日(日)放送より)