AWSジャパン幹部が語る「ガバメントクラウドの活用を加速させるためには」
「“Everyday AI”を実践する人材を増やしていきたい」 (Dataiku 共同創業者 CEOのFlorian Douetteau氏) 人工知能/機械学習(AI/ML)向けの統合プラットフォームを提供する米Dataikuの日本法人Dataiku Japanは先頃、Dataikuの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるFlorian Douetteau(フロリアン・ドウエト)氏が来日したのを機に事業戦略および新ソリューションについて記者説明会を開いた。冒頭の発言は、Douetteau氏が社名と同じ統合プラットフォーム「Dataiku」によって実現したいこととして述べたものである。 Dataikuは、2013年にフランス・パリで創業し、2015年に米国・ニューヨークで本社を設立。2019年にパートナー企業を通じて日本市場へ進出し、2022年に日本法人を設立した。「Everyday AI」をブランドメッセージに掲げ、データやAI/MLの活用が日々の業務に完全に組み込まれているような未来を構想している。現在の従業員数はグローバルで1100人超、顧客数は750社以上とのことだ。 Dataikuの統合プラットフォームは、データ準備、モデル構築、可視化・共有、本番展開、運用監視といったデータ分析/MLの全プロセスをカバーしているのが特徴だ。クリック操作だけで、データの取り込みや準備、分析、モデル開発を行えるという。 新ソリューションの内容を中心とした会見の内容は関連記事をご覧いただくとして、ここではDouetteau氏の冒頭の発言に注目したい。 同氏はEveryday AIについて、「当社が創業したフランスではみんなが毎日パンを食べる。そのパンのようにAIも日々の業務で当たり前のように使われるようにしたいとの思いを込めている」と話した。 では、Everyday AIをどのように実現していくのか。同氏は図3を示しながら、次のように説明した。 「世界中で今、PCユーザーが10億人いるとすると、この人たち全員にAIを日常的に使ってもらうようにするには、AIの専門家であるデータサイエンティストやエンジニアが100万人いたとしても対応できない。どうすればよいか。10億人と100万人の間に5000万人規模の“ビジネスでAIを活用する人材”、すなわち、Everyday AIを実践する人材を増やして10億人へ広げていかなければならない。Dataikuはそういう“AIの逆さピラミッド”の実現に向けて貢献していきたい」 冒頭の発言はこのコメントから抜粋した。さらにDouetteau氏は図4を示しながら、Dataikuを組織にとって不可欠な「ユニバーサルAIプラットフォーム」と位置付けた。 その上で、「組織の全ての人たちにAIを使ってもらうためには、ガバナンスをしっかりと効かせた形で実装していくことが非常に重要だ」と、「AIガバナンス」の重要性を強調した。 Dataikuは創業10年余りのベンチャーだが、すでに多くのグローバル企業がユーザーとして名を連ねており、ユニバーサルAIプラットフォームとして大いなる野望を抱いているというのが、筆者の印象だ。今後、どれほどの存在感を示すようになるか。注目していきたい。