米メディアは大谷翔平の一死も取れず30球5失点KOの復帰登板を酷評「復帰戦は大失敗」「落胆、最悪、深い懸念」
エンゼルスの大谷翔平投手(26)が26日(日本時間27日)、オークランドで行われたアスレチックス戦に先発。2018年9月2日(アストロズ戦)以来、693日ぶりの公式戦マウンドを踏んだが、1死も取れず3四球3安打5失点で降板した。フォーシームの最速は約152キロしかなく、コントロールにも苦しみ、本来の大谷とは別人のような姿だった。トミー・ジョン手術からの回復は十分でないように見られる。チームは4-6で敗れ、大谷は今季初黒星を喫した。米メディアは大谷の復帰登板を厳しい論調で報じた。 地元紙のオレンジカウンティレジスター紙は「大谷は期待を背負って緊張感とともにマウンドに戻った。しかし、投手として693日ぶりに踏むマウンドで、良くて落胆、最悪では深い懸念を示すことになってしまった」と伝えた。 記事は、「どんな投手にも不調はあり、大谷には、トミー・ジョン手術で2年近く休んだ後での最初の登板という言い訳があるのかもしれないが、懸念されるべき問題があった」と指摘。 「大谷が16球投げた速球の平均球速は92.9マイル(約150キロ)で、最速で94.7マイル(約152キロ)だった。トミー・ジョン手術前の2018年では大谷の速球は平均96.7マイル(約156キロ)だった。ビリー・エプラーGMによると、彼は、最近の紅白戦では97マイル(約156キロ)を投げていたともいうが…」と、フォーシームに本来のスピードが戻っていなかったことを問題視した。さらに「大谷はスプリッターを2球しか投げなかった。彼のスプリッターは最も破壊的な球だ。2018年には、全体の22パーセントがスプリッターだった。だが、スプリッターは投手の腕に影響を与える最も厳しい球の1つと考えられている」とし、肘への負担が大きいとされるスプリッターをほぼ封印していたことにも注目した。 米スポーツ専門メディアのESPNも「大谷が期待されていた投手としての復帰登板で、1つのアウトも記録できなかった」という記事の中で、「26歳の大谷は3桁(100マイル)に達することができる速球を持ちながら、この日は平均93マイル(約150キロ)だった」と、スピード問題をピックアップし、「打者6人中2人を2ストライクに追い込んだが打ち取ることができなかった」と指摘した。 CBSスポーツは、「エンゼルスの二刀流スター、大谷のマウンド復帰はうまくいかなかった」と厳しい論調。同メディアも「大谷は日曜日に速球を16球投げ、最速で94.7マイル(約152キロ)に達した。平均では92.9マイル(約150キロ)だった。2018年に彼の速球は平均97.3マイル(約157キロ)で最速で101.9マイル(約164キロ)だった。明らかに彼は、まだ腕の力強さを作り上げている途中段階にある」と指摘。さらに「30球を投げてストライクは15球だけ。実際にストライクゾーンにいったのはさらに少なかった」と制球を乱していたことも紹介した。 だが、一方で、「日曜日の登板はひどかったが、エンゼルスが大谷を先発からすぐに外すとは考えられない。彼は、肘の再建手術から戻ってきたばかりで、その道中に起伏があるということを理解している。2018年に51回2/3を投げて63三振を奪い、防御率3.31だった大谷が持つ伸びシロへのチームの期待は相当のもの。それは彼が打たれても一緒に我慢していくだけの価値があるものだ」と、今後の可能性について言及した。