【闘病】まさか私が「乳がん」に? あの時検査を先延ばししなければ…
日本人女性が生涯で乳がんに罹患する確率は9人に1人と言われています(国立がん研究センターがん情報サービスがん登録・統計サイト「最新がん統計」2017年)。年々増えている現状ですが、果たして私たちは乳がんについての正しい知識を持ち合わせているでしょうか? そこで職場の健康診断で乳がんが発覚した加藤扶美さんに、闘病中の体験や感じた想いなどを聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年7月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
しこりの違和感も「来年の健康診断まで」待ってしまった
編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 加藤さん: 職場の健康診断のオプションで乳がん検診(マンモグラフィと超音波)を行いました。通常は1カ月ほどで結果が郵送されてくるのですが、検診後すぐに再検査の電話がかかってきました。そして再検査のときにその場で医師から、「5cm程のがんがある。確定診断ではないが、ほぼ間違いないであろう」と宣告されました。 編集部: 自覚症状などはあったのでしょうか? 加藤さん: 実は、数年前から左乳房に違和感を覚えることがあり、当時通院していた大学病院(婦人科)の医師に伝えて乳がん検査をしてもらっていました。定期的に検査をしながら様子を見ようと言われていたのですが、その主治医から別の医師に変わってからは、前の主治医ほど親身になってもらえず、他院での検査を勧められ、そこで私もすぐに違う病院を受診するなど動けばよかったのですが、仕事(小学校教諭)の忙しさも相まって「来年の健康診断まで待つからもういい」と考えてしまって……。結局、翌年受けた健康診断でがんが見つかり、早く受診をしなかったことを後悔しました。 編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? 加藤さん: 最初にかかった大学病院の医師には、「とにかく焦るな、検査が全部終わるまで相当日数がかかるし、治療に入るまでは何カ月もかかる。それまでは普通通りの生活を送るように」と言われました。大学病院のシステム上やむを得ないのかもしれませんが、でも私は大きながんが体内にあるとわかっていながら平常心で仕事をしたり日常生活を送ったりすることが非常に困難でした。こうしている間にもがんが進行してしまったり転移してしまったりするのではないかと、毎日不安でたまりませんでした。