ナイキ株が時間外取引で下落、来年度上期の減収見通しで
(ブルームバーグ): スポーツ用品メーカーの米ナイキの株価が21日の米株式市場時間外取引で下落。商品ラインアップを再編するのに伴い来年度上期の減収見通しを示したのが嫌気された。
ナイキは2025年度6-11月(上期)に1桁台前半の減収率を見込むが、通期では継続中のリストラの影響を除くと増収増益になると予想。24年度3-5月(第4四半期)の売上高は微増の見通し。
ナイキはスニーカーの品ぞろえを見直す。「エアフォース1」のような定番シューズの供給量を減らし、新製品の発売を前にランニングシューズ「ペガサス」を縮小する。ジョン・ドナホー最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会見で、「ナイキが潜在的なパフォーマンスを発揮できていないことは分かっている。いくつかの重要な調整を行う必要があることは明らかだ」と述べた。
21日の米株式市場時間外取引でナイキ株は東部時間午後5時45分(日本時間22日午前6時45分)時点で5.6%安。
23年12月-24年2月(第3四半期)決算では売上高が予想を上回った。スニーカーやアパレルの需要低迷に直面し、複数年にわたるコスト削減計画を強化した。
11-2月期の売上高は124億ドル(約1兆8800億円)で、アナリストの予想を上回った。北米とグレーターチャイナ(大中華圏)での売上高が予想より好調だった。重要な成長市場である中国での売上高は4.5%増。北米での売上高は50億7000万ドルで、3.2%増加した。
ドナホーCEOは昨年12月、売り上げ低迷を受け、今後3年間で20億ドルのコスト削減を目指すリストラ計画の概要を公表。同社は2月に、同計画の一環として全従業員の約2%を削減し、レイオフを2段階に分けて実施すると発表した。
昨年在庫過剰に悩まされた経営陣は、新商品のスペース確保のため古い商品の処分にも取り組んだ。11-2月期の在庫は13%減の77億ドルで、ウォール街の予想よりも大幅に減った。