バーベキューの最新スタイルは「ユルかっこいい“裏庭系”」? アメリカン・イケオジ発の“バックヤード・バーベキュー”ってナニ?
●すごく楽、だけど楽しい
夏が近づくと楽しみなのがバーベキュー(BBQ)。慣れ親しんだいつものバーベキューもいいけれど今年挑戦してみたい、アメリカらしさを感じさせるシンプルだけどインパクトのある「バックヤード・バーベキュー」を紹介します。 【画像】ピットマスター直伝「バックヤードBBQ」のコツを写真で見る(27枚) 「バックヤード・バーベキューとは、アメリカ人が自宅の裏庭(backyard)で楽しむ気軽なBBQからインスパイアされたスタイルなんです」と話すのは、今回の案内人であるピットマスターの古賀和彦さん。
手ぶらでBBQを楽しめる新木場バーベキュー広場のマネージャーを務める古賀さんは、アメリカ・ロサンゼルスでの駐在経験を持つBBQの達人。 BBQの楽しさと奥深さを伝える名物イベントの「東京バーベキューフェスティバル」では、アメリカ仕込みのBBQテクを惜しげもなく披露しています。
●塊肉の周りに人は集まる
VAGUE:いきなりですが、「バックヤード・バーベキュー」って何ですか? 古賀さん:アメリカでは週末に誰かがバックヤード(裏庭)で大きな肉を焼き始めると、「いい香りだねぇ」とばかりに、近所の仲間がビールやサイドディッシュなどを持ち寄ってきてユルいパーティが自然発生。そのさり気なさがまたかっこいいんです。 きちんとした決まりごとはありませんが、ビーフでもポークでもいいので、1キロくらいの塊肉を豪快に焼きあげるのが最大のポイントです。 VAGUE:アメリカンなイケオジたちがのんびり飲み食べする、レイドバックな姿が目に浮かびます。 古賀さん:まだ明るいうちから始めて、急かされることなく夜まで時間を贅沢に過ごす、アメリカ人の日常に寄り添ったおおらかな遊び方。それを日本のキャンプシーンで再現したスタイルを僕らスタッフが「バックヤード・バーベキュー」と呼ぶようになったんです。
●肉を仕込めば勝ったも同然
VAGUE:日本でいま主流のBBQは、焼いた薄切り肉にタレをつけて楽しむ、いわば“屋外焼き肉”のようなものです。 古賀さん:ワイワイ焼きながら楽しむジャパニーズ・スタイルも楽しいですよね。塊で焼いて切り分けてから食べるバックヤードスタイルは、じっくり仕上げる間のおしゃべりも楽しみのひとつ。“シーズニング”と呼ばれる味つけを前もってしておくので、現場での手間がかからないユルさも魅力なんです。 VAGUE:塩・コショウやスパイス、ハーブなどを混ぜたシーズニングは、最近アウトドア料理で人気です。 古賀さん:シーズニングの配合は家ごとに“秘伝の味”があるほど多彩。ですが、肉1キロに対して、塩(大さじ1)、粗挽き黒コショウ(小さじ1)、ガーリックパウダー(小さじ1)、そして砂糖を少し加えたごく基本的な配合でも十分に美味しいんです。 VAGUE:砂糖も入れるんですね? 古賀さん:砂糖を少し入れると、味にまとまりが出てワンランク上の仕上がりになります。この基本のシーズニングに、辛味ならチリを、香りにはクミンを、風味にはオレガノをそれぞれ小さじ半分ほど足すなど、試行錯誤しているうちに“我が家の味”が完成するというわけです。 VAGUE:肉はどういうものを用意すればいいですか? 古賀さん:基本は脂身の少ない牛ロースなどの赤身肉。じっくり焼き上げることでさらに適度に脂が落ちるのでヘルシーなんです。豚ならアバラ骨の上部分のリブロースを用意すれば、味も見た目もダイナミックに楽しめます。