バーベキューの最新スタイルは「ユルかっこいい“裏庭系”」? アメリカン・イケオジ発の“バックヤード・バーベキュー”ってナニ?
VAGUE:アメリカ人はいかにも大きな肉を焼きそうですよね。 古賀さん:3キロ超えも普通に登場します(笑)。最初は豪快さと焼きやすさのバランスがとれた450g(1ポンド)から1キロ程度がオススメ。じっくり焼くので仕上がりの分量が少し減るため、人数によって加減してください。 VAGUE:下ごしらえは? 古賀さん:シーズニングを肉の表面にまんべんなくすり込んだら、ジッパーつき保存袋に入れて空気をできるだけ抜き、冷蔵庫で1時間以上寝かせます。前夜に用意しておけば、当日の手間が省けます。
●塊肉を焼いてみよう!
古賀さん:BBQグリルは角形でも丸型でもOKですが、リッド(フタ)があるタイプが必須です。 VAGUE:Weber(ウェーバー)など、アメリカンなBBQグリルによくあるタイプですね。 古賀さん:リッドはアウトドアショップでも入手できます。熱源は木炭かチャコールで、グリルに緩やかな坂を描くよう量を加減して、「火の真上の高温エリア」から「火が直接あたらない低温エリア」「その間の中温エリア」と、温度のグラデーションをつけてあげます。 VAGUE:さっそく焼きましょう! 古賀さん:ここで焦りは禁物です。肉の表面に焼色をつけて肉汁を封じ込めるため、網をよく熱しておきます。厚さのある網ならば、30分は予熱したいところです。その間に、肉から水分が逃げすぎないよう表面にピュア・オリーブオイルを塗ってコーティングして常温に戻しておきます。 VAGUE:エクストラバージンオイルの方が良くないですか? 古賀さん:エクストラバージンは沸点が低いため早く蒸発してしまうんです。保湿にはピュアの方が向いていて、長時間焼いても焦げずにふっくら仕上げることができます。
VAGUE:焼き網が温まったようです! 古賀さん:高温エリアの網の上に肉を置き、トングで網に押しつけながら表面に焼目をつけます。箱型の肉の場合は6つの面すべてに焼目をつけて、肉汁が漏れないよう封じ込めてあげます VAGUE:オリーブオイルのおかげか、網にくっつきにくいですね。 古賀さん:肉の表面にくまなく焼目がついたら、火が直接当たらない「中温エリア」に移してフタをします。フタをすることで熱が逃げずにオーブンと同じ状態になるので、ムラなく火入れができます。時間は肉の厚さ1cmにつき1分間が目安です。 VAGUE:この肉は5センチくらいなので5分ですね。中の様子が気になってしかたないです…… 古賀さん:貯まった熱気が逃げてしまうので、絶対にフタを開けては駄目!と言いたいところですが、初めてトライする方はフタを開けて確かめる方が失敗しないです。 時間が来たら、トングで肉の表面を押して焼き加減をチェックします。固さの目安は左手の親指と他の指で“OK”サインのような輪を作り、親指の根元を右手の指先で押して確かめます。 VAGUE:親指で他の指に触ると、離れた指になるほどつけ根の筋肉が固くなります。 古賀さん:人差し指のときの固さが「レア」、中指が「ミデアムレア」、薬指が「ミディアム」、小指が「ウエルダン」となります。あくまでも目安なので、最初のうちは少し焼きすぎくらいがいいかもしれません。 好みの焼き加減になったら火から離れた低温エリアに移し、1~2分ほど休ませたら完成。切り分けていただきましょう!
●バックヤードスタイルに合うサイドメニューは?
VAGUE:ほんのりピンク色で、しっとり焼き上がっていて美味しい! シンプルなシーズニングがむしろ肉の味わいを際立たせます。オススメのサイドメニューは? 古賀さん:丸ごとのパプリカや、皮つきのタマネギも簡単に用意ができてしかも美味しいです。オレンジやキウイを半分に切って焼くフルーツバーベキューも非日常感があるのでぜひ味わってほしいですね。 *** シンプルですが奥が深いアメリカらしさ溢れる「バックヤード・バーベキュー」。塊肉の焼き方さえマスターすれば、より気楽にゆったりと楽しめるので、この夏ぜひ挑戦してみてくださいね。
杉山元洋