侍Jの“日韓前哨戦”勝利は決勝へつながるか。敗れた韓国監督は「勝ってきた投手が出ていない」と不敵笑みも
根拠のない「野球あるある」だが、得てして乱打戦の翌日は投手戦となる傾向がある。 しかも、互いに登板予定の投手を温存して見せなかったのだ。 ――決勝は点をやらない試合のイメージか。 稲葉監督に投手戦なのか、打撃戦なのかのイメージを遠回しに聞くと、「やってきたのは、そういう野球。韓国打線を零点に抑えるのが理想だが、なかなかそうはいかない。1点を取られても次の1点を与えない。そういう野球をやっていく」と、答えた。 バッテリーは、この日、韓国打線の生データを収集した。 「どのコースを振ってくるだとか、キャッチャーとバッテリーコーチが試合中に(確認作業を)やっていた」と稲葉監督。8回の1イニングを3人でピシャリと抑え、韓国打線に反撃機会を与えなかった大竹は、「韓国打線はよく振ってくるなという印象」と語っていた。 半速球はゾーンに使うと非常に危険。そして山岡の特殊なスライダーにさえ対応してきた柔軟な適応能力も兼ね備えている。 継投のタイミングと、その人選を含めたベンチワークは決勝の勝敗を握る重要なキーワードだろう。 泣いても笑ってもあと1試合。 韓国のキム・ギョンムン監督は、「今から帰ってコーチ陣とディナーをとりながら明日についてのミーティングをする。守備は強化する必要があると思った」と淡々と決勝について説明した。 侍ジャパンの稲葉監督は、決勝への決意をこう結んだ。 「これまでと同様、決勝という素晴らしい場所で悔いがないように全員で結束力を持って1戦を戦い抜きます。約1か月の長い期間を過ごしてきて、選手同士、声をかけあってチームが出来上がってきた。連携もできた。明日もチームは一つになって戦っていく」 宿命のライバル韓国との真剣勝負。その結末は、来年の東京五輪への展望を明るいものにするのか、それとも……。ただでは終わらない壮絶な戦いになることは間違いない。