侍Jの“日韓前哨戦”勝利は決勝へつながるか。敗れた韓国監督は「勝ってきた投手が出ていない」と不敵笑みも
試合後、会見場に現れた韓国のキム・ギョンムン監督に敗戦のショックなどまるでなかった。 「勝てれば良かったが、重要な試合は明日に控えている。今日は、選手のコンディションを第一に考えていた。明日の試合を選手と共に楽しみたい」 韓国は、先発予定だった左腕エース、ヤン・ヒョンジョンを温存、野手もレギュラーメンバーをスタメンで使ったのは4番のパク・ビョンホら4人だけだった。一方の日本も、甲斐野(ソフトバンク)―山本(オリックス)―山崎(横浜DeNA)の7回からの勝利方程式を見せなかった。決勝戦が順当に進めば、今日投げた6人の投手は決勝に投げない。 互いに腹の探り合いがあった。 「明日の決勝を睨んで、今日の試合にはどんなテーマ、意識を持って臨んだのか?」という質問の韓国語訳を聞いたキム・ギョンムン監督は、一瞬、不敵に笑った。 「ずっと出ていた選手には休養が必要だったので、明日、ベストのコンディションで臨めるように配置した。今日の試合は忘れて明日はベストを尽くしたい」 さらに「日本の投手陣についての印象」を質問されてこう続けた。 「日本の投手はとてもいい。でも、ここまで勝ち続けてきた投手が出場しなかった。それについて言及する必要はない。明日はバッターと力を合わせていい試合をしたい」 異例の2日連続の日韓戦。韓国からすれば、勝ち負けの関係ない単なる消化試合である。では、勝ち負けの関係ない“前哨戦”を制したことに、まったく意味がないのだろうか。 稲葉監督は、こう話した。 「今日の勝ち負けが明日につながっていくか、どうかは…ねえ。いい勝ち方で気分はいいが、今日の1試合を明日にどうつなげるかが大事。ただ、しっかりとした野球を1日できた。打線がつながった。明日につながると思う。ボールを選ぶところはしっかりと選び、後ろにつなぐ野球をやってくれた。2日間、空いたので、試合勘、試合への入りを大事にした。ボールへのコンタクトも、しっかりと1打席1打席やってくれた、早い段階で選手交代をして、なかなか打席のなかった選手に試合の雰囲気に慣れてもらおうと立たせた。明日は総力戦になりますので」