新型ロードスターRFも激変!!! マツダの良心はファンを裏切らない!!! 走りの進化に迫る
大幅改良を受けたマツダ「ロードスターRF」の進化に、大谷達也が迫る! 【写真を見る】新しいロードスターRFの実車の細部(32枚) インテリアの変更箇所にも注目!!!
どっしりとした乗り心地
先ごろ実施されたマツダ・ロードスターの商品改良は、1.5リッターエンジンを積んだソフトトップモデルだけでなく、2.0リッターエンジン搭載のリトラクタブル式ハードトップを採用するロードスターRFにも適用されている。つまり、アシンメトリックLSDの採用でコーナリング時の姿勢を安定させるとともに、パワーステアリング系の改良によりこれまで以上にビビッドなステアリングフィールを実現するなどの進化は、ソフトトップモデルだけでなくRFでも体感できるのだ。 今回の商品改良はこれだけにとどまらず、前走車との車間距離を一定に保つレーダークルーズコントロールや約15km/h以下で後退中に接近する車両を検知して必要に応じてブレーキ操作をサポートするスマートブレーキといった先進安全機能の強化、新しい8.8インチセンターディスプレイの採用、コネクテッド機能の充実、ヘッドランプ/リヤコンビネーションランプやホイールのデザイン変更、新色「エアログレーメタリック」の追加など、多岐にわたっている。 いっぽう、1.5リッター・エンジンを対象とする出力向上などの改良は、RFに搭載される2.0リッターエンジンには実施されていないが、それ以外の改良はRFでも同じようにおこなわれたと考えていただければいい。 実際にロードスターRFに試乗してみると、ソフトトップモデルよりも排気量が拡大された分、エンジンの最高出力が136psから184psへ、最大トルクが152Nmから205Nmへと強化されているため、加速感などはより力強い。おかげでワインディングロードを走る平均的なペースはソフトトップ版を10~20%ほども上まわっているほどだった。 足まわりの設定は、ソフトトップに比べると微妙に硬めで、これがどっしりとした乗り心地につながっているように思えた。しかも、RFはソフトトップ・モデルに比べて最大で100kgも重くなっているため、ロードスター特有のヒラヒラ感が多少損なわれている印象も否めなかった。 それでもアシンメトリックLSDの効果は絶大で、荒れた路面やスポーツドライビング中に経験するボディの上下動がはっきりと減少し、タイヤが生み出すグリップ力がより安定するように感じられる。それどころか、グリップ力がただ安定するだけでなく、2~3割ほど改善されたのではと思えるほどだった。 事実、融雪剤がまかれたワインディングロードでは、従来型RFがタイヤのグリップを失って大きく滑り出すことがあったのに対し、新型はおなじペースでもほとんどスライドしなかった。また、タイヤがグリップを失った際に介入するスタビリティコントロール(横滑り防止装置)にしても、従来型は動作が粗く、一度介入するとなかなか解除されなかったのに対し、新型はシステムが介入しても動作がスムーズなうえ、タイヤがグリップを取り戻せばすぐに動作が解除されるので、スポーツドライビングの愛好家からは間違いなく好まれるだろう。 こうしたグリップ力の変化やスタビリティコントロールの動作は、ソフトトップモデルでも同様の傾向だったことを付け加えておきたい。