“年金600万円分を返金してほしい”組合側が10年間ミスに気づかず過大支給...85歳母と56歳息子は困惑「どうしていいのやら、途方に暮れます」
なぜ過大支給額が600万円以上に膨れ上がった?
一体、なぜこんなことになってしまったのか。佐々木さんが公立学校共済組合に電話で確認してみました。 (佐々木さん)「なんで間違えたかっていうのはわかってないんですか?」 (公立学校共済組合)「きちんと処理しておりましたら、こうした多額の過払いは発生しなかったんですれども、完全にこちらの処理誤りですので、そこは大変申し訳ございませんでした」 佐々木さんの母親は60歳から年金を受給。その後、夫が亡くなり、遺族年金も受け取る選択をします。それに伴い、これまで受給していた年金は半分となるはずでした。ところが、公立学校共済組合からの年金は、誤って全額支給されていたというのです。その上、ミスには10年も気づかず、額は600万円以上にまで膨れ上がりました。 (公立学校共済組合)「完全にこちらの処理漏れですので、お母様がなにか間違えたということではございません。ただ申し訳ないですが、本来ならお支払いすることはできなかったものになりますので、こちらは返済いただくほかないんですね」 (佐々木さん)「これは割引のシールですね。お昼なのであんまり貼られていることが少ないんですけど、たまたま見つけたので。生活が厳しいのでね、ちょっとでも節約になるかなと思って」 母親の預金通帳をみせてもらうと…残高は167円。年金支給日の前には、ほとんどお金は残りません。 働いていた年数や所得によって変動する年金。自分では正しい支給額か誤った支給額かに気づくことは容易ではありません。 (佐々木さんの母)「わからへんもん、どんなふうに計算されたんか。振り込まれたらそうかなってそんな感じやんか」
組合側「返済が終わらない場合、残額は遺族に返済をお願いする形に」
すでに10年かけて返済し続け、残りは約450万円。このままでは残りの返済に30年ほどかかる計算です。そうした中、さらに思わぬ事実が判明します。 (佐々木さん)「母親は今年85歳なんですけれど、まだだいぶ残ってますよね。これは最終的には僕らに回ってくるということなんですか?」 (公立学校共済組合)「そうですね。もしも返済が終わらない場合は、残額についてはご遺族の方に返済をお願いする形にはなります」 (佐々木さん)「わかりました。ありがとうございます。失礼します」 電話を終えた佐々木さんに、改めて話を聞きました。 (佐々木さん)「何もしてないのに、僕400万円も借金あるんですか。きついなー。受け取る金額に関しては、僕らでいくらとか、貯金でもないですから、向こう(公立学校共済組合)におまかせになっているのに、そこでミスがあって、それであとになってから返せって、それはしんどいですよね。こんなずさんなことってあっていいのかなって思いますね」 MBSの取材に対しても、公立学校共済組合は佐々木さんの母親の年金についてミスを認めたうえで、法律で決まっているため返還を求めるとしています。