“年金600万円分を返金してほしい”組合側が10年間ミスに気づかず過大支給...85歳母と56歳息子は困惑「どうしていいのやら、途方に暮れます」
“年金を過大に支給していたので、返金してほしい”。このようことが書かれた突然の手紙に困惑する大阪府内の親子。一体なぜこんな事態になったのか。調査すると、さらなる事実が明らかになってきました。 【写真で見る】脳梗塞で働けなくなり母親(85)の年金を頼りに生活していると…突然覚えのない“通知”が
脳梗塞を発症し働くことができない男性 生活の頼りにしているのは母親の年金
大阪府寝屋川市に住む佐々木さん(仮名・56)は去年、脳梗塞を発症し、その後、左半身が麻痺しました。歩くには、杖がかかせません。デザイナーとして独立した矢先、大病を患いました。今は週に3回リハビリをしていますが、まだ働くことができていません。 生活の頼りにしているのは、今年85歳になる母親の「年金」です。母親が1か月に受け取っている年金は約16万円。佐々木さんの収入が途絶えた中、生活に余裕があるとはいえない状況です。 (佐々木さん)「僕自信が今、病気をして収入がない。母親の年金に頼らないといけないので、正直ちょっと苦しいですね」
600万円超の過払い分の返還請求に「びっくり。どういうこと?」
そんな中、佐々木さんは最近“ある事実”を知ったといいます。 (佐々木さん)「年金を“返還せい”と言われていまして。金額がびっくりするんですけれども」 母親宛てに送られてきた封書に書かれていたのは、『過払金が発生したため、支給額の一部を返還に充てさせていただいている状況です』という文言。年金を誤って多く支給していたため、過払い分の返還を求められているというのです。その額、なんと618万円を超えます。 (佐々木さんの母)「びっくりしたわ。600万円ってどういうことって。不安より怒りやな、こんなん間違われたというのは」 (佐々木さん)「法外ですね。普通の人間ではパッと出せる金額ではないので、びっくりしましたね」 20年あまり公立小学校で教師をしていた佐々木さんの母親。今回、過大に支給されていたのは、公立学校共済組合からの年金でした。
現在は3万円“天引き” 物価高騰も生活に重くのしかかる
多く支払われた分の返済は10年前から既に始まっていますが、佐々木さんは年金額の誤りには一切気づかなかったといいます。 (佐々木さん)「人がいくらもらっているかって聞きにくいし、たとえ親子でもね。ちょっと怒りでしょ、こんなん本当に…」 今は、もらえるはずの年金から3万円が引かれています(※2か月で)。それに加えて物価高騰が重くのしかかり、贅沢はできません。スーパーマーケットで買った商品を見せてもらうと…