池袋暴走事故遺族に殺害予告で書類送検、成人なら「罰金刑で終結」の可能性もあるが…女子中学生への“適正な処分”とは
6日、池袋暴走事故の被害者遺族・松永拓也さんがXを更新し、松永さんを脅迫したなどとして先月28日に書類送検された女子中学生(14)への思いを改めて明かした。 実際の投稿〈中学生が書類送検された件について〉 書類送検に際して「毅然とした対応を取ることが重要だと考えました」としていた松永さん。「中学生相手に厳しすぎるのではないか」との批判もあったというが、「少年の健全な成長」を目的に処分される少年事件の特性を鑑み、被害届を取り下げなかったという。
なぜ「逮捕」ではないのか
女子中学生は今年9月、松永さんが副代表理事を務める「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」に「殺してあげよっか?笑」などとメールを送って脅迫した疑い。また、松永さんが講演予定だった松山市役所にも同様のメールを送り、業務を妨害した疑いも持たれている。 報道によれば、女子中学生が任意の調べに対して「私的な悩みがあった」「脅迫メールを送れば相談先を紹介してくれると思った」などと話しているという。 少年法では14歳以上であれば刑事責任を問われ、犯罪行為によって書類送検のほか逮捕される可能性もある。今回、女子中学生はなぜ、逮捕ではなく書類送検されることとなったのか。少年事件の対応も多い杉山大介弁護士は「刑事訴訟法上、身柄拘束の要件を満たしておらず、そもそも逮捕といった手段に出られないような事案ではないか」と話す。 「証拠を隠される、逃げられるなど、被疑者の身柄を拘束しておかないと困る理由があれば別ですが、ほとんどの刑事事件は逮捕しないことが原則になります。 本件で言えば、証拠となるメールはすでに送付されているため、被疑者がいまさら変更することは不可能です。手段がメールである以上、被害者の供述も証拠としての意味合いは強くありません。 たとえば、刑事事件化してなお、本当に松永さんの前に現れて危害を加える強い疑いがあれば逮捕したかもしれませんが、一連の言動からは『殺す』のような直接的な言動を繰り返しながらも、行動にはまったく移さずメールを送るのみにとどめるような、いたずら的な傾向が伺えます」