鹿児島県・奄美海保が移転式 節目の出発に誓い新た、新庁舎で業務始まる
奄美海上保安部は10日、奄美市名瀬矢之脇町にある名瀬第二地方合同庁舎に開所した新施設への移転が完了し、業務を開始した。11日は、新庁舎で移転式を行い大場伊佐大部長が職員らへ訓示。創設70周年の節目の新たな出発に誓いを新たにした。 同保安部は、奄美群島日本復帰の翌年にあたる1954年9月に鹿児島海上保安部名瀬・古仁屋警備救難所として発足した。現在、管理課、警備救護課、交通課の3課に海上保安官19人が所属する。 移転は旧庁舎の老朽化や防災官署の集約化などを理由に、68年ぶり。新庁舎は鉄筋コンクリート造地上6階建てで、3階(一部)と4階に入居した。 フロアには、各課のほか、部長室、次長室、灯器調整室、柔道場などを備え、一部には部外者の侵入を防ぐためのセキュリティシステムも新たに導入した。旧庁舎と比べて間取りが拡張され、執務環境の改善なども期待できるという。 新庁舎であった移転式には、同部所属の巡視船「あまぎ」の隊員らも参加した。庁舎前では国旗・庁旗掲揚を実施。大場部長は正装の保安官らを前に訓示し、「発足70周年の節目の年に移転。より高い海上保安業務を提供する新たな出発点となる。我々の業務に変わりはないが、次の80年、100年に向けて持てる力を発揮しさまざまな課題に果敢にチャレンジすることを期待する」と呼び掛けた。 旧庁舎は1956年に建設。取り壊し時期や跡地の活用などは未定。解体前には地元市民らを招いた一般公開なども計画している。