「“自動販売機の次くらいのインフラ”を作りたい」株式会社TOUCH TO GO代表取締役社長・阿久津智紀が目指す“ビジョン”とは?
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。4月27日(土)の放送は、前回に引き続き、株式会社TOUCH TO GO 代表取締役社長の阿久津智紀(あくつ・ともき)さんをゲストに迎え、お届けしました。
1982年生まれ、栃木県出身の阿久津さん。2004年専修大学法学部卒業後、JR東日本へ入社。駅ナカコンビニ「NewDays」の店長や青森でのシードル工房事業、ポイント統合事業などの担当を経て、ベンチャー企業との連携など、新規事業の開発に従事。2019年7月に株式会社TOUCH TO GOを設立。
◆「TOUCH TO GO」オープンまでの経緯
無人決済店舗システム「TTG-SENSE」などを展開するTOUCH TO GO社。阿久津さんがこのシステムの開発に取り掛かったのは、JR東日本に在籍していた2017年からで、これを事業にするべく、自ら事業計画を立ててJR東日本にプレゼンをしたと言い、「そこから2018年に赤羽でテストをした後に実験店舗を作り、そこで1年ぐらいずっとシステムの改修をおこなっていました」と振り返ります。 そして、新駅「高輪ゲートウェイ駅」開業にあたり“新しい未来を感じられるものを作ってほしい”との募集をおこなっているところに阿久津さんが手を挙げ、2020年3月に無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」をオープンしました。
◆阿久津智紀が考える大企業に勤めるメリット
2019年7月、JR東日本スタートアップ株式会社とサインポスト株式会社によるジョイントベンチャー(複数の企業が共同出資して新しい会社を立ち上げて事業をおこなうこと)として、株式会社TOUCH TO GOを設立した阿久津さん。 ジョイントベンチャーでスタートした理由について、「『TOUCH TO GO』の仕組みを作るには、システムを作らなければならず、イニシャルコスト(初期費用・初期投資)が結構かかるので、そのタイムスケジュールを考えると、自分で起業してお金を集めるよりも、まず資金を確保することが最優先でした」と語ります。 大企業に勤めるメリットとして、中小企業よりも安定していて、ボーナスなどの収入面や福利厚生が手厚いところなどを挙げる人が少なくありませんが、阿久津さんは「大きい企業はリソースとお金をいっぱい持っているので“それを使わない手はない!”というぐらいの心持ちでいいのかなと思います」と言及。 また、阿久津さんのように、近年トレンドとなりつつあるカーブアウト(親会社が子会社や自社事業の一部を切り出して新しい会社として独立させること)で新たなチャレンジをして、自らの道を切り拓いていく人も増えており、「(チャレンジすることは)なかなか難しいことだとは思いますけど、自分で一度やってみると非常に勉強になりますし、(たとえ失敗して親会社に)戻ったとしても良い経験になると思うので、オススメしたいです」と語ります。