他人の評価に依存してしまう...「承認欲求が強い人」に不足しているものとは?
「認めてほしい!」 「わかってほしい!」 このような承認欲求が強い人にあなたはどんな印象を抱きますか? 【診断】話が通じない人とは“脳タイプ”が異なる? かまってちゃん? 自己顕示欲が強そう? 少し厄介? 共通して言えるのは、承認欲求はしばしば邪魔者にされがちな欲求ということ。多くの人は自分の中にある承認欲求をひた隠そうとするし、なんなら手放そうとさえします。 しかし、承認欲求というのは私たちが当たり前に持っている欲求のひとつで、人格の土台となる大切なものなのです。ここでは自分でも気づきにくい承認欲求にどうすれば気づき、うまくつきあえるのか、大人気心理カウンセラーが解説します。 ※本稿は、池田由芽著『メンタル"ヤバめ"をやめられる本』(大和出版)の一部を再編集したものです。
満たされないからほしくなる、満たされればほしくなくなる
あんまり強いと人間関係のトラブルにもなるもの、それが承認欲求。承認欲求が満たされていない状態、欲求が強すぎて承認の腹ペコ状態、私はこれを「愛の飢餓」と呼んでいます。 自分の中に承認がない、自分で自分を認められない。だから誰か、私を認めてくれ! 愛してくれ! 外側に求めすぎてしまうのです。そして愛の飢餓になってしまっていると、とても悲しい現実が訪れます。 実際に「すごいね」「よくがんばっているね」「好きだよ」と承認の言葉を言われても「なんかうさんくさい!」「本当はそんなこと思っていないくせに!」「どうせお世辞でしょ?」とほしかった言葉をうまく受け取れなかったこと、ありませんか? なぜこんなことが起きてしまうのかというと、ご自身に「自己承認」がないからです。
人は自分で見知っているものしか受け取れない
例えば、あなたがコップというものを知らなかったとしましょう。そこに友達が来て「コップを取って」と言われたとしても、どれがコップなのかわからないから「これ? これ?」と手当たり次第にアイテムを確認するかもしれないですよね。この例と同じで、自分で自分を認める感覚が育っていないと、人から承認をもらっても、これが承認なのかわからず「なんかちがう!」となってしまうのですね。 これを受け取り下手と言います。承認欲求の正しい扱い方は、自分の中にある承認欲求を否定せず自分で自分を認めてあげる必要がある、ということ。 自分の中にある承認欲求を最初から否定してしまっては、自分で自分を認めてあげるという次のステップにいけませんよね。だからこそ、「承認欲求は無理して手放す必要はない」のです。 自分の中の愛の器がたっぷりと承認で満たされれば愛の飢餓は終わります。するとどうなるか想像できますか? そもそも自分の中で承認欲求が自給自足できているので、外側に過剰に求めなくなるのです。承認欲求が自分の中にあることを否定したり、無理に手放そうとするともっとお腹がすく。でも承認欲求があることを認めて満たせば、「認めてくれ~!」と外側に求める必要がなくなります。 手放しって、手放そうとするほどできなくて、満たすと勝手に手放されるものなのですね。