「豆腐メンタル…」と悩む勿れ!辛い時は“逃げる”がベストな6つの理由。精神科医が激推し、「逃げ」は無駄な勝負を避けるポジティブな戦略だ
学校では「がんばらない」を教えてくれませんでした。 弱音を吐かずにがんばる人は、「我慢強い」「がんばり屋さん」「忍耐力がある」と称賛されるのが一般的。そのため、すでに自分は限界を迎えていても、無意識に押さえこんでしまい、その結果、ある日突然、メンタルを病んでしまうこともあります。 精神科医の和田秀樹氏は、「つらいなら今すぐ逃げなさい」とメッセージを送ります。なぜなら、逃げることこそが無駄な勝負を避けるポジティブな戦略だからです。
和田氏の著書『逃げる勇気』を一部抜粋し、3回にわたってお届けします。 ■逃げることはポジティブな戦略 ほとんどの方は、「逃げる」という言葉自体にネガティブな印象しか持っていません。 逃げる人は、「落伍者」「負け犬」「弱虫」「根性なし」「卑怯者」「ずるい」「わがまま」「甘ったれ」「自分勝手」「努力が足りない」「我慢が足りない」「責任逃れ」……などと批判されます。 「もっと厳しい環境でも努力してがんばっている人がいるのに──」と言われることもあります。
いまの時代は、メンタルヘルス(心の健康)に何らかの問題を抱えている人や、打たれ弱く自己肯定感が低い落ちこみやすい人を「メンヘラ」「豆腐メンタル」と言ったりします。 自分でこれらの言葉を使うときは自虐的ですし、他者についても軽いノリで言う表現です。 でも、気がつくと、軽いノリでは済まされなくなることも少なくありません。 私がお伝えしたい「逃げること」の本来の意味は、次にあげた言葉に置き換えられます。
逃げるとは── 自分の適した環境(自分らしくいられる環境)に移動すること 逃げるとは── 自分の気持ちを整理する時間を持つこと 逃げるとは── 自分の身を相手から防御すること 逃げるとは── 相手に近づかないこと 逃げるとは── 命を守るために、相手と距離を置くこと 逃げるとは── 戦略を練り直すための勇気ある撤退をすること つまり、いまの環境や状況があなたにフィットしていないだけなのです。 相手はあなたを攻撃してくるかもしれませんが、そんなときこそ戦わずに逃げることです。