障害者差別解消相談「つなぐ窓口」常設化を 1年間で相談3221件(内閣府)
内閣府が昨年10月から試行事業として実施している障害者差別に関する相談窓口「つなぐ窓口」の実績報告会が4日、衆議院議員会館で開かれた。9月末までの1年間の相談は3221件で一定の利用があり、今後さらに障害者差別解消を進めていくには、つなぐ窓口の常設化と、具体的な相談内容とその対応を広く共有して課題を解決していくことが必要だと確認した。 障害者差別解消法が改正され、4月から民間事業者に合理的配慮の提供が義務付けられた一方で、相談窓口は府省庁や自治体などにあり、相談先が分からない「相談の迷子問題」が起きていた。そのため、つなぐ窓口がワンストップで相談を受け付けて府省庁などに適切に取り次ぐ。 同日、内閣府が初めて公表した実績では、3221件のうち障害者差別解消法の範囲内の内容は1602件で、府省庁などに取り次ぎが完了した226件、取り次ぎ辞退(相談して納得したなど)したのは106件だった。発生場面は行政、医療福祉、教育学習支援が多かった。相談者は8割が障害者、1割が事業者だった。課題として市町村の体制整備、相談窓口の周知、相談対応の質の向上が挙げられた。 報告を受けて宮路拓馬衆院議員(自民党)は「より良い社会をつくるための大きなツールにしていきたい」、衛藤晟一参院議員(同)は「窓口がしっかりしないと差別解消につながっていかない」と話した。 内閣府はつなぐ窓口を継続するため、来年度予算で4000万円を要求している。報告会を共催したDPI日本会議の尾上浩二副議長は「どこに相談したらいいか分からず困っていた切実なニーズに応えるつなぐ窓口を、ぜひ本事業化してほしい」と求めた。 ◆つなぐ窓口=電話0120・262・701(午前10時~午後5時、祝日・年末年始を除く)。メールアドレスinfo@mail.sabekai-tsunagu.go.jp