「ノーコメント」「あっけないですね」 加害者の元少年からの回答 並んでいたのは信じられない言葉 娘を殺害された母の苦しみ、加害者に伝わらない悲しみ
■「娘の冷たい体に触れた時の手の感覚、今も残っている」 元少年に心情伝えたが・・・ 母親は、民事裁判と並行して、被害者の心情などを加害者に伝える「心情等伝達制度」を利用した。 加害者の反省の情を深めたり、被害者の心情の整理を図ったりするため、2023年12月に始まった制度だ。 自身が犯した罪の重さやどんな子を殺したかということを理解してほしいと、担当官を通じて思いを伝えた。 許せない気持ちがあること、夢や希望を奪われ人生を崩されたこと。 どうして娘はこんな事件に巻き込まれなければならなかったのか、事件当日に娘が出かけることを引き留められなかったのか今も後悔していること。 事件当日に警察から娘のことについて聞かされた時の声、今も耳や手に残る、パトカーや救急車のサイレンの音、娘の冷たい体に触れた時の手の感覚。 そして、元少年にいくつかの質問をした。 しかし、およそ10日後に返ってきた回答には、信じられない言葉が並んでいたという。 ■信じられない回答 女性の母親「めちゃくちゃな言葉」 Q.公判時と現在の気持ちに変化はあるか A.ノーコメント Q.娘に包丁を向けたとき、実際に刺したとき何を考えたか A.人はあっけなく死ぬんですね Q.抵抗されたときどのように思ったか A.偽善者ですね Q.人を殺してみたいと言っていたが、実際に殺してみてどのように思うか A.あっけないですね Q.私の話に真正面から逃げずに向き当って謝罪の意味を答えてほしい A.ごめんですね Q.被害弁償など支払う意思はあるのか A.支払いの義務はありません 娘を殺害された母親(50代) 「心情伝達したのは犯人にどれだけのことをしたのかとか娘がどんな子だったのか分かってもらいたかったんですよ。 人の心を持っているんだったら、少しくらいは謝罪の言葉が出るんじゃないかと思っていました。 でもめちゃくちゃな言葉でした。なぜそういうことを言うのか信じられない」 裁判で母親は、「出て来る言葉ひとつひとつが悲しくて悲しくて、怒りになって今も許せないです・・・」と心情を吐露したが、それでも更生を望む気持ちがあると話した。 娘を殺害された母親(50代) 「伝えてくれる担当官がどういう風に少年に対して言ってくださったのか疑問ですが、何度利用してもいいと聞いたので、時間が経ってもう一度制度を利用しようと思っています。事件の事を考え反省しているのかを知りたい」