2015年に懲戒免職になった元教諭の処分取り消し確定…「とてもうれしい」63歳、教職復帰を希望
うその公務災害申請をして不正に補償を受けたなどとして懲戒免職となった長崎県立高の元教諭(63)が、県を相手取り処分の取り消しなどを求めた訴訟で、懲戒処分を取り消した2審・福岡高裁判決が確定した。最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)が20日付で、県側の上告を受理しない決定をした。 【写真】福岡高等裁判所
2審の福岡高裁判決などによると、元教諭は2013年7月、ボクシング部の指導中に生徒から誤ってパンチを受けて右目を負傷。同9月に公務災害申請し、地方公務員災害補償基金から約123万円を受給した。
その後、不正受給の疑いがあるとの通報を受けた県教育委員会が関係者を調査し、虚偽の申請だったとして15年7月に元教諭を懲戒免職処分にした。これに対し、高裁判決は「ボクシングの練習以外の日常生活でそのような負傷をすることは極めてまれであると考えられる」などとし、虚偽申請は事実誤認とした。
元教諭は26日に記者会見し、「主張が事実であると認められてとてもうれしい」と話し、再任用での教職復帰を希望しているとした。県教委は「判決を厳粛に受け止め、改めて今後の対応を検討したい」としている。