多くの人が知らない…「鍼灸で肩こりが改善する」ときに、人体で起きている驚きの「現象」
「血流増加」で肩こりが改善するのはなぜ
実は、こうした血流の増加によって改善するのは、いわゆる肩こりなど、血流の悪化が関係するタイプの痛みです。 肩こりでは、筋肉の使いすぎなどによって緊張が生じて硬くなるために血管が収縮し、血行不良が起こっています。そのため筋肉や血管などの細胞で酸欠が起こり、微細ですが組織が破壊されます。すると、組織を修復するために炎症反応が生じて白血球や肥満細胞などの免疫細胞が集まり、発痛物質であるブラジキニンやヒスタミンが放出されます。さらに、壊れた組織からはプロスタグランジンなどの発痛増強物質がつくり出されます。こうした物質が感覚受容器に作用することで電気信号へと変換されて脳まで伝わり、痛みを感じているのです。 そこに鍼灸による軸索反射が起こると、血流の増加によって痛みのある部位にとどまっていた物質が除去され、鎮痛効果が得られるというわけです。鍼灸師の方に話を聞くと、フレアの反応を見ることで鍼の効き具合を確認している方も多いと言います。皆さんも、鍼灸治療を受けたときには、ぜひフレアをご覧になってはいかがでしょうか。
山本 高穂、大野 智