上司を助手席に乗せたら「苦しいから」とシートベルトをしてくれない! 警察に見つかったら「運転手」が違反になりますよね?「太っているから」で許されますか?
現在、日本の道路交通法では、自動車の後部座席を含む全席でシートベルトの着用が求められています。 ▼ハンズフリー通話での運転は「違反」になる? ペナルティが発生する場合についても解説 助手席や後部座席に座る人がこれを守らない場合、違反の罰則を受けるのはシートベルトをしていない本人ではなく運転手です。 しかし、上司などにシートベルトをするよう伝えても拒否され、困っているという人もいるのではないでしょうか。本記事では、日本におけるシートベルト着用のルールを確認し、同乗者が着用してくれない場合の対処法を考えていきます。
運転手にはシートベルトを着用させる義務がある
道路交通法第71条の3では「自動車の運転者は、座席ベルトを装着しないで自動車を運転してはならない」との規定に加えて、「自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置に乗車させて自動車を運転してはならない」と規定されています。 つまり、運転者には同乗者にシートベルトを着用させる義務があるのです。助手席に座る人がシートベルトをしておらず、座席ベルト装着義務違反で取り締まりを受けると、運転手に反則点数が1点付与されます。 反則金はありませんが、経済的な負担がないわけではありません。次回更新時にゴールド免許ではなくなるため、免許の更新料が高くなるのに加え、加入している自動車保険によってはゴールド免許に対する割引が適用できなくなり、保険料が高くなるといった負担が生じます。 安全のためはもちろん、自分のゴールド免許や優遇された保険料を維持するためにも、シートベルト着用を促す必要があるといえるでしょう。
シートベルトの着用が免除となることはあるが……
道路交通法施行令第26条の3の2第2項では、同乗者が以下に該当する場合、シートベルトの着用が免除されると規定しています。 ●負傷や障害、または妊娠中であることにより座席ベルトを装着させることが療養上または健康保持上適当でない者 ●著しく座高が高い、または低いこと、著しく肥満していること、そのほかの身体の状態により適切に座席ベルトを装着できない者 例えば、上司が著しい肥満体型でシートベルトが体に回らない、けがや病気でシートベルトの締め付けにより症状を悪化させる恐れがある場合は、着用が免除される可能性があります。 しかし、「著しい肥満」「適切に座席ベルトを装着できない」と規定されているため、単に少し太っていて苦痛に感じる程度では、免除とならない可能性が高いでしょう。
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