朝ドラ『虎に翼』岩田剛典、35歳の学生服姿は違和感ある?意外な判断ポイントとは
1週、2週……。待てど暮らせど、登場しない。連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合、午前8時放送)第3週第15回ラストで、岩田剛典が初登場した瞬間には思わず歓喜した。 岩田扮する花岡悟は、主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)と同じ明律大学法学部の学生。なるほど、35歳の岩田剛典が学生服に身を包むとは、驚きじゃないか。なのに全然、違和感がないというのは。 イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、本作の岩田剛典が学生服を着ても違和感がない理由を解説する。
体幹がブレない演技
映画初主演作『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(2016年)以来、本腰入れて岩田剛典の演技を見てきた。驚くべきは、彼の演技の体幹がこれまで一度たりともないブレたことがないこと。 岩田自身がターニングポイントになったと話す『去年の冬、きみと別れ』(2018年)や『Vision』(2018年)の頃から、不思議と安定感がある。 初の朝ドラ出演作となる『虎に翼』でも強く感じられる。第3週第15回のラスト、明律大学女子部を卒業して本科(法学部)に上がってきた寅子たちを遠目から見つめるひとりの男性の眼差し。 画面の軸から寸分たりともブレずに、ぴたりとおさまる法学部1年の花岡悟(岩田剛典)を見て、あぁ、これは岩田剛典にしか演じられないな。そう思う初登場場面だった。
眉間の微動で役柄にアジャスト
この初登場で注目すべきは、岩田の眉間。そう、彼の眉間こそ、その演技を安定させている最大要素のひとつ。各作品、役柄に合わせて眉間の微動をさまざまなレパートリーでちょっとずつ変えながら、アジャストするのだ。 寅子たちを見つめるとき、特に眉間にシワが寄るわけではないが、左眉がわずかにピクつくのがわかる。「きたきた」と冷笑を浮かべる表情が、眉の微動によって輪郭づき、キャラクターの性格を一発で理解させる。 花岡悟という人物は、表向きでは女子部の面々に敬意を払うが、実は根っからの差別意識を持っている。毎回、「はて」を契機に相手の間違いを正そうとする寅子が、花岡と対決することになるのは、時間の問題だなとハラハラする。