極超音速ミサイル挑発後に地方工場訪問して「成果」強調…金正恩委員長、先代との差別化に没頭
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「新型極超音速ミサイル」と主張して挑発を敢行した翌日の7日、新年最初の経済関連活動で地方工場の竣工式に出席し、成果を強調した。国防分野で成果を出した直後に地方工場を訪れたのは、国防・安保に優先順位を置きながらも先代との差別化のために前面に出した「地方発展20X10」政策を支障なく進めていくるという意志を表したものと解釈される。 労働新聞は8日、金委員長が前日に「地方発展20X10政策(黄海南道)載寧郡(チェリョングン)地方工業工場竣工式」に出席したと報じた。行事には経済指令塔の朴泰成(パク・テソン)首相をはじめ、党と内閣の幹部、建設に動員された軍人、工場の幹部と労働者らが出席した。 「地方発展20X10」とは、毎年20の市・郡に現代的な地方工業工場を建設し、10年以内に地方・農村の生活水準を発展させるという構想だ。金委員長が昨年1月の最高人民会議で提示した。 金委員長は竣工式で自ら竣工テープカットをして工場を視察し、地方発展事業に対する党・政の持続的かつ強力な支援を強調した。「市、郡の党および政権機関で原料問題と技能工養成をはじめ、地方工業工場の生産正常化に必要な条件の保障に常に深い関心を向け、無条件に実行するべき」と強調しながらだ。そして「今年は地方建設でさらに一段階飛躍する年にする」と述べた。 竣工のあいさつは「労働党の口」の役割をする朱昌日(チュ・チャンイル)宣伝扇動部長がした。これには「地方発展20X10」政策が党の重要な課題という点を強調しようという意図があるというのが、専門家らの指摘だ。 朱部長は地方発展政策が党と国家の「最も重大な政治的課題」という点を改めて強調した。続いて「(載寧郡工業工場の竣工は)自慢の成果であると同時に、より大きく力強く踏み込んでさらに高く飛躍する新しい闘争の踏み台、前進の布石」とし「全国の人民がみんな同じく喜ぶこの重大事は、条件を問わず必ず毎年完ぺきな結果につながらなければいけない」と成果を促した。 専門家らは北朝鮮が「地方発展20X10政策」を特に強調するのは金委員長の偶像化戦略と無関係でないと分析している。慶南大のイム・ウルチュル極東問題研究所教授は「金正恩委員長は住民の生活改善に直接寄与できる地方発展政策を通じて先代と差別化した業績を築こうとするとみられる」とし「今後もコインの裏表のように国防分野の成果とともに地方の発展を軸とする経済分野の成果を強調すると予想される」と話した。