大阪観光・周遊バス仕掛け人「バス停留所の確保は苦労した」
大阪観光局が今年の5~6月、大阪を訪問する外国人観光客に「関西国際空港外国人動向調査」を行った。その結果、大阪を訪れた理由の上位は「観光地が魅力的だったから(38%)」「食事が魅力的だったから(30%)」「ショッピングが魅力的だったから(23%)」だった。そんな中「大阪の観光をおもしろくしたい」と観光スポットを自由に乗り降りしながら巡る周遊バスを走らせるなど、関西を中心としたインバウンドの観光振興に取り組む仕掛け人がいると聞き、さっそく訪ねて話を聞いてみた。 大阪・咲洲庁舎にホテル入居決定 松井知事「にぎわい作る場所に」
大阪市内を周遊する乗り降り自由のバス運行
大阪市内を周遊する乗り降り自由のバス「大阪ワンダーループ」や水都を巡る「大阪ワンダークルーズ」の運営。さらに大阪市交通局とタイアップし、バス・船・地下鉄がすべて乗り降り自由のパスを実現して販売している一般社団法人「関西インバウンド事業推進協議会」の理事長を務める堀感治さん(41)。「大阪の観光をもっとおもしろくしたい。大阪をもっと楽しくしたいという思いで、3年かけて実現したものです。苦労しました」と設立当初のことを振り返る。 急激に増加する訪日外国人観光客の受け入れ態勢づくりが進む中、神戸市では「シティ・ループ」、京都市では「観光ループバスK'LOOP」が運行していた。しかし、大阪では、観光スポットを乗り降り自由に周遊するバスは運行されていなかった。 そこで、周遊観光バス「大阪ワンダーループ」をつくって点在していた観光スポットをつないだ。1周140分で周遊する2階建てのバスは、1日10便・70分間隔で2台が走る。バスコンシェルジュが車内でなんばパークス、新世界、四天王寺、松屋町、大阪城公園などの観光スポットを案内し、バス&クルーザー乗車料・クーポン付きガイドブックセットで3000円(2日間有効)だ。 こうして観光客を効率良く回遊させることで消費を促進させ、大阪経済活性化の起爆剤として大阪にインバウンドの新しいループを組み立てた。昨年3月には記者発表を行い、大阪府の松井一郎知事、大阪市の吉村洋文市長らが出席し、テープカットも行った。大阪の新たな観光アイテムとして認められた。