【EV用バッテリー世界シェア】中国・韓国で90%超。日本メーカーではパナソニックのみがランクイン。2023年上半期
Counterpoint Technology Market Research(以下「カウンターポイント」という)は、2023年上半期のEV用バッテリー販売量を発表した。 【EV用バッテリー世界シェアを記事で見る】中国と韓国のメーカー合計でシェア90%を超える 出荷量は前年同期比+54%と急増しており、搭載バッテリー総容量は300GWhに達した。 世界シェアトップは、引き続き中国のCATL (Contemporary Amperex Technology Co., Ltd.、寧徳時代新能源科技)が2位に倍以上の差を付けた。 シェアの内訳を見ると、中国と韓国のメーカーで90%超を占めて寡占化が進むなか、4位にパナソニックがランクインしている。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
EV用バッテリー市場における自動車メーカー別販売シェア
EV用バッテリーを使用する(車両に載せる)主要地域は中国、米国、欧州となる。 そのまま完成車メーカーである、「Tesla(米国)」、「BYD(中国)」、「Volkswagen(ドイツ)」にあてはめることができる。 上記3社は、2023年上半期に販売されたEV用バッテリー総容量の45%を使用して車を製造している。
EV用バッテリー市場動向
前述のとおり、CATLがEV用バッテリー市場をリードしており、BYD(中国)とLG Energy Solutions(韓国)がやや差を開けられているものの、トップを追っている。 上記トップ3社合計で、2023年上半期の市場のほぼ2/3を占めている。 カウンターポイント社シニアアナリストSoumen Mandal氏は、EV用バッテリー市場動向について以下のように述べている。 「EV用バッテリーのエコシステムは急速に変容している。 今後の数年間で、 ・「ACC(Automotive Cells Company、フランス)」 ・「Verkor(フランス)」 ・「Northvolt(スウェーデン)」 ・「E4V(フランス)」 といった新興メーカーが、サプライチェーンの中で地位を獲得するであろう。 また、バッテリー専業メーカーとは別に、 ・「Tesla」 ・「Volkswagen」 ・「BMW(ドイツ)」 ・「Mercedes-Benz(ドイツ)」 ・「Stellantis(多国籍、ステランティス)」 などの完成車メーカーも、自社でのバッテリーセルやバッテリーパックの製造に動いており、電池サプライチェーンにおける競争はさらに激しくなる」 「今のところ、中国と韓国のサプライヤーが市場を寡占している。 中国の ・「CATL」 ・「BYD」 ・「CALB」 ・「Gotion」 ・「Sunwoda」「Farasis」 などは、合わせて市場の2/3を占める。 また韓国の主要3社である ・「LG Energy Solution」 ・「Samsung SDI」 ・「SK Innovation」 は、合わせて25%のシェアを持つ。 EV販売が世界各地で勢いづくと、各国は自国内でのバッテリーサプライチェーンの構築、つまり地産地消を目指すようになる。 これによって、地場のメーカーが活気づくとともに、競争激化によって退場を余儀なくされるメーカーも出てくるだろう」