裁判の最後に「普通の親子でありたかった…ごめんなさい」母親を殺害し遺体を遺棄した男 検察側は「殺意は強いもの、救命行為も行っていない」と懲役11年を求刑 弁護側は”傷害致死罪”適用と減刑を求める(山形)
殺人と死体遺棄の罪に問われているのは、東京都の会社役員、榎本虎太郎被告(41)です。 ■なぜ殺さなければならなかったのか 起訴状などによりますと、榎本被告は去年10月、東京都で母親の萬里子さんの首を絞めたり鼻や口を塞いだりなどして殺害し、遺体を自らが経営する鶴岡市内の高齢者施設の敷地内に埋めて遺棄した罪に問われています。 初公判で榎本被告は「殺すつもりはなかった」と殺意を否認し、弁護側は、傷害致死罪の適用を求めています。 ■母は「自分と金のことだけ」 弁護側からの被告人質問で榎本被告は、母親について聞かれると「本当に申し訳ないことをした。憎んではいない」と証言しました。 その一方で、母親が祖父の遺産をすべて相続したにもかかわらず、その相続税1億2000万円については母親が支払わなかったことに触れ「本当に自分と金のことしか考えていないと思ったことがある」などと話しました。 ■もみ合いの末に馬乗りに また、被告人質問では犯行当時の状況も語られました。口論の際、榎本被告は萬里子さんに掴みかかられ、もみ合いの末に馬乗りになったということです。 その後、子どもや家族への暴言を聞きたくないと、首を絞め、口や鼻を塞いだということです。 ■「感情で動いていた」 検察側からは殺害に至ったときのことが質問され、榎本被告は「覚えていない。感情で動いていた」などと証言。 遺体を鶴岡市の高齢者施設に埋めた理由については、「はじめは山などに遺棄しようと思ったが、遺体は重く運ぶのには時間がかかることなどから、土地勘のある場所にしようと思った」などと話しました。 証言から、複雑な親子関係が垣間見えました。 ■姉も証言台に立ち、男の生い立ちを語った 25日にもさかのぼります。この日は証人尋問が行われ、検察側と弁護側の双方からの請求で、榎本被告と一緒に警察署に向かった姉が証言台に立ちました。 弁護側からの質問で、榎本被告の生い立ちや親子関係について問われると、母親から虐待を受けていたことや、多額の相続税を背負わされていたことなど、徐々に親子関係が悪化していっていた経緯などが明かされました。
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