【厚生年金】おひとりさまの友人が来月「約40万円」支給されるそうです。夫婦でも月額約23万円なのに…そんなに稼いでいたのでしょうか?
2024年1月19日、厚生労働省は2024年度の年金額を公表し、2.7%の増額改定となりました。 【写真3枚】厚生年金「40万円」もらえる人っているの?男女別の受給額を一覧でチェック(出所:厚労省など) 標準的な夫婦世帯の年金の月額は約23万円となり、次回支給日の6月14日(金)から増額分が支給されることになります。 これに対し、おひとりさま世帯の友人が「年金は40万円支給されている」と言われると、思わずその真偽を確かめたくなりますね。 今回は2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、シニアの年金事情を深掘りしていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
「年金」ってどんな仕組み?
日本の公的年金は、上記のように国民年金と厚生年金の2階建てになっています。 ●国民年金(1階部分) ・原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある ・保険料は一律 ・納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる ●厚生年金(2階部分) ・公務員やサラリーマンなどが加入する ・収入に応じた保険料を支払う(上限あり) ・加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる 上記のように、個人によって加入する年金や納付期間が異なるため、将来受け取る年金額には大きな差が生じます。 特に、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、収入が高い人ほど多くの保険料を納めることになり、その結果、将来受け取る年金額も高くなる傾向があります。
「厚生年金」みんなの平均受給額を一覧表でチェック
では、厚生年金の平均月額はいくらでしょうか。厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に見ていきましょう。 厚生年金の平均年金月額 〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む 全体は14万3973円でしたが、男女では月額で約6万円の差があります。 厚生年金の平均受給額に男女差がある理由は、主に働き方やキャリアの違いに起因していると考えられます。 男性は通常、ライフイベントにかかわらず継続的に働き続けることが多いため、保険料を納付する期間が長く、収入も高い傾向にあります。その結果、受給額が高くなります。 一方、女性は育児や介護などの家庭の事情により、仕事を中断したり、パートタイム勤務に移行したりすることが多い傾向にあります。 これにより、保険料の納付期間が短くなり、受給額が低くなります。 さらに、女性の平均賃金が男性よりも低いことも影響しており、これが男女間の年金受給額の差を生む大きな要因となっています。 以下では、受給者ごとの人数を1万円刻みで一覧表にしていますので、参考にしてみてください。 ●【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み) ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 ※国民年金部分を含む 厚生年金の平均受給額は1万円未満から30万円以上と個人差があります。 20万円以上の厚生年金を受給している方は全体の14.8%ですが、男女別に見ると男性が21.7%、女性が1.2%です。 女性の年金額が低くなる理由は、先述したとおり、働き方や賃金の低さによるものが関係していると考えられています。 タイトルのような「高額の厚生年金を受給する人」というのは非常に少ないことがお分かりいただけるかと思います。