2024年版 レスポンスも音も「感動的」な最新スーパーカー 11選 性能とデザインで頂点を争う
3. マクラーレン・アルトゥーラ
長所:この上なく軽いタッチで行われた電動化の恩恵、公道でも鮮やかに楽しませてくれる 短所:広角V6エンジンのサウンドはそれほど魅力的ではなく、ややパンチに欠ける マクラーレンはここ数年、厳しい状況に耐えてきた。世界の多くの国が不況にあえぐ中で、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェなどの宿敵が好調な利益を上げているのは、富裕の買い手が増えているからだ。しかし、マクラーレンはその流れを十分に生かすことができなかった。そのため、10年以上ぶりに一から設計されたアルトゥーラの成功に大きく依存している。 カーボンファイバー構造や電気アーキテクチャーなど、これまでのモデルとはほとんど何も共通化していない。そして、ツインターボの3.5L V6エンジンと電気モーターと組み合わせたPHEVとなっている。電気駆動装置は可能な限り軽量化を追求しており、モーターとバッテリーの重量はわずか130kg。また、30kmのEV走行を謳っている。 合計出力は680psに達するが、電気モーターのトルクによって、数字から想像されるよりも速く感じさせる。サウンドも良く、シャシーはマクラーレンに期待される通り、ドライバーとの距離感を縮めるとともに十分なダイナミクスを発揮する。マクラーレンは油圧機構のステアリングにこだわっており、指先にこれほど鮮明な情報を提供できるスーパーカーはライバルにもほとんどいない。 素晴らしい1台だが、ナンバーワンでないのには理由がある。アルトゥーラは開発に難航し、微調整のために何度も発売が延期されたにもかかわらず、本質的には未完成だからだ。初期に生産された車両から、ソフトウェアの不具合、品質管理の問題、そして奇妙な故障が数多く見つかっている。何度も言うが、素晴らしいクルマであることは間違いない。ただ、顧客の手に渡すにはもう少し開発を煮詰める必要がある。
4. ランボルギーニ・ウラカン・エボ
長所:V10エンジンは希少かつ特別、後輪駆動モデルは魅力的なハンドリングバランスを持つ 短所:ウェッジ形状が居住空間に負担をかけており、長時間は辛い ドラマチックな走り、注目を集めるルックス、そして野性的で自由な魂を持ったクルマを作るという点で、ランボルギーニに対抗できるのは世界でも一握りの少量生産メーカーだけだ。 ウラカンはランボルギーニのエントリーモデルかもしれないが、そのセンセーショナルなスタイリングやワイルドな自然吸気V10エンジンは、スピード、レスポンス、サウンドにおいて決して二流ではない。 フェイスリフトされた「エボ」では後輪操舵とトルクベクタリングが採用され、ライバルのマクラーレンやフェラーリにまた一歩近づいた。往年のハードコアモデル、ウラカン・ペルフォルマンテの最高出力640psのパワートレインも搭載され、実に手応えのある魅力的なスーパーカーとしての評価を高めている。 純粋な後輪駆動バージョンのエボもある。フロントのドライブシャフトをなくすことで、さらなる個性とダイナミクスを手に入れた。 さらに興奮を求めるなら、ポルシェ911 GT3に相当する、カーボンファイバーボディの超ハードコアなウラカンSTOがある。エンジンカバーに取り付けられたシュノーケル型のエアインテークは、レーシングカーのトロフェオからインスピレーションを得ている。他では味わえない魅力と楽しさを備えた特別なマシンだ。 STOは標準車と基本的に同じ640psのV10を搭載しながらも軽量化が図られており、背筋がゾクゾクするほど速く、うるさくて、スタートボタンを押した瞬間から夢中になれる。硬くなったサスペンションは公道では許容しがたいレベルだが、カミソリのようにシャープなレスポンスと驚異的なアジャスタビリティがそれを補う。 スリルは欲しいが、派手なルックスはちょっと……という人には、最近発表されたばかりのテクニカがちょうどいい。メカニカルは同じだが、サスペンションはややソフトで公道走行に適しており、ボディワークはほぼ標準的。ランボルギーニのエントリーモデルのスーパーカーとしては最も美味しい “スイートスポット” である。