腰痛で3週間寝たきりだった大場久美子、リハビリの名医が教える予防策は?65歳以上は、1日5000歩で認知症や脳卒中を予防、歩幅は広めを意識して
昨夏、腰痛の悪化から、3週間近くベッドの上での生活を余儀なくされた女優の大場久美子さん。夫や同居する義理の両親のサポートを受けながら、不自由なく動ける状態まで回復しました。再発の予防や、将来寝たきりにならないためにできることを、リハビリテーション医療の第一人者である安保雅博先生に聞きます(撮影:玉置順子(t.cube) 構成:内山靖子) 【写真】椅子に座ってテレビを見ながらできるトレーニングを実践する大場さん * * * * * * * ◆椎間板の炎症で20日間寝たきりに 大場 今日は、リハビリの専門家でいらっしゃる安保先生に、いくつになっても元気に動ける体を保つ方法を教えていただけると、とても楽しみにしてきました。実は私、昨年の7月に、腰椎の椎間板が炎症を起こして、約20日間、ほぼ寝たきりになってしまったんですよ。 安保 それは大変でしたね。どういう状況だったのですか? 大場 発症する3ヵ月くらい前から、腰に違和感があったんです。女優業の傍らセラピストの仕事もしているのですが、高さ調整できないベッドしかないお部屋で施術するときは、やむをえず前かがみになってしまうことが多くて。 安保 無理な姿勢を続けていたために、腰に負担がかかってしまったのですね。 大場 それであるとき、トイレ掃除をしようとしゃがんだら突然、腰に激痛が走り、しだいに動けなくなってしまって。 安保 腰椎は5個の骨が連なっており、それぞれの骨をつなげるクッションの役割をしているのが椎間板なんです。ただ、年齢とともに椎間板も弱くなってきますから、過剰な負荷がかかると炎症を起こしてしまう。そのせいで激痛が起こり、動けなくなってしまったのでしょう。 大場 救急車で病院に運んでもらったのですが、1日半入院しただけで、とくに何の治療も受けずに帰ってきました。
◆安静は麻薬 安保 残念ながら、急性期の腰痛の治療は安静が一番なんです。痛みをブロックする注射をしたり、鎮痛剤を使うことはありますが、基本的にはベッドの上で安静にして、痛みが治まるのを待つしかない。 大場 そうなんですか。 安保 ただ、「安静は麻薬」と言って、体をまったく動かさずに、じっと寝ているのはよくありません。痛い箇所を無理に動かすのは禁物ですが、患部以外の箇所はできるだけ動かすことが大切。 そうしないと全身の筋肉がどんどん落ちていき、いざ起き上がったときにふらついて転倒し、骨折することもあるのです。いわゆるロコモティブシンドローム(運動器症候群)の状態になっています。 大場 それは怖い。動かせるところは少しでも動かさないといけないんですね。 安保 ええ。絶対安静で寝ている状態だと、全身の筋力は1週間で10~15%落ち、1ヵ月で半分に減ってしまいます。高齢者だと、そのまま寝たきりになる可能性もあるんですよ。 大場 私の場合、寝返りは打てなかったものの、手と足は問題なく動かせたので、ベッドの周りに必要なものを置き、着替えも食事もすべて自分で。腰が痛まない姿勢をとって、ストレッチもしていました。日頃は時間がなくてできないフェイシャルマッサージも念入りに。おかげで、寝たきりだった間はお肌がピカピカでした。(笑)
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