「お金返して」「契約したばかりなのに…」との声も。脱毛クリニックが「またも破産」で得るべき“教訓”
■アリシアクリニックが破産、負債は100億円超 突然の発表だった。 旧「じぶんクリニック」、現「アリシアクリニック」を運営する経営母体2社がなくなることとなった。同クリニックは全国40店舗以上で9万人が利用していた。 【悲劇】「支払いたくないので銀行口座をゼロにしていい?」との質問にクリニック側は 2024年12月10日AM11時、東京地方裁判所に破産を申請し、破産開始決定を受けた。負債総額は100億円を超え、124億円とも予想される。多くの債権者が影響を受け、すでにお金を支払っていた消費者に大きな精神的・金銭的なダメージを与えた。この破産により、全国に展開していたクリニックがすべて閉鎖され、多数の従業員が解雇された。
倒産、というのは俗語に近い。ただ、倒産といっても、民事再生法や会社更生法など、再建を目指すものがある。しかし、このアリシアクリニックの場合は破産であり、永久脱毛ではないが、また生えてくるものではなく、もはや永久に消える。 破産管財人が発表した文章を関係者は読むといい。ここでは明確に、下記を述べている。 施術は今後に受けられるか→不可 支払い済の施術代は返金されるか→現実的にほぼ不可能
これは破産管財人たる弁護士にいう話ではない。しかし、「特に多くお問い合わせをいただいている質問」として、次の質問は胸が痛くなる 信販会社やクレジットカード会社からの引落しがされないように口座の残高をゼロにしてもいいですか→個人の立場が悪くなるだけだから支払停止の抗弁権を主張したほうがいい 正直、通常の女性が抗弁権を主張することができるだろうか、とは思う。そんなに資産的に余裕がある人たちばかりではない。なんとか脱毛の費用を捻出していたのに、という絶望的な状況が浮かぶ。
■破産の背景は? なお、アリシアクリニックだけではなく、このところ同様のクリニックの破産や廃業に至る理由や背景はなんだろうか。 まず要因として、過剰に膨れ上がったクリニック数の反動がある。コロナ禍において、いったんは盛り上がった利用客だが、それも利用客の減少に向かっていった。 いっぽうで、供給側の過剰と過当競争が巻き起きた。結果的に生じたのは広告費への過剰投資だった。現在、すこしスマホを眺めていると、次々に宣伝広告が流れてくる。これら背景が相互に絡み合い、経営を圧迫していた。