10月相場は日経平均より「TOPIXの押し目買い戦略」が有効
1980年代、FRBはFFレートを引き上げた。株価も上昇していたが、再利上げ以降は「オーバーキル」となり株安、景気後退を招いた。写真はFRB議長時代のポール・ボルカー氏(写真:ブルームバーグ)
9月29日の日経平均株価は前日比14円安の3万1857円に小幅続落して引けた。パッシブ運用による権利落ち分の先物買いが残っていたはずだったが、28日も前引け間際に急落している。これはいったい何だったのだろうか。 考えるに、パッシブ運用の配当落ち分の先物買い(による相場の買い圧力)が一部出てこなくて、「肩透かし」をくらったのではないか。ETF(上場投資信託)は素直に買っていると思うが。 配当落ち分をそのまま現金の形で企業に預けていると、日経平均なら配当分の約225円分に相当する現金を保有している形になり、原指数との連動性がとれなくなってしまう。通常はその分、先物を買い建てして連動させる。 そうした先物買いが合計1兆8000億円くらい期待されたのだが、パッシブ運用でも公的運用や海外のMSCI運用などが上述の投資行動をとるとは限らないため、実際には肩透かしにあってしまったのではないだろうか。 急落時の出来高はけっこうあるので、肩透かしに加えて年金などのリバランス売りが出ているのかもしれない。28~29日の2日間を権利落ちのない先物価格の推移で見れば「往って来い」の形だ。 さらに29日は、日経平均の構成銘柄の入れ替えに伴って(新規採用が値ガサ株のため)資金捻出売りが4000億円くらい出ることも下げ圧力となってしまった。
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木野内 栄治