【パリ五輪】ファイナルなるかサニブラウン 泉谷駿介&村竹ラシッドの110mHコンビ、三浦龍司も注目 4継&マイルの両リレーでメダル挑戦/みどころ男子トラック編
ハードル&長距離・障害
110mハードルはうまくいけば決勝に日本人が複数登場するかもしれない。 まずは昨年の世界選手権で、国際大会では日本勢初入賞となる5位に入った泉谷駿介(住友電工)。今季はここまで海外レースを転戦し、4月に中国で2度行われたDLでは3位と2位。7月上旬のDLパリ大会でも同様でベストレースではなかったが3位に食い込んでいる。その後帰国して7月下旬にはシーズンベストの13秒10(+1.2)をマークしている。 昨年以上にスプリントや出力が上がっており、それが技術面とうまく噛み合えば、昨年の世界選手権以上の順位も狙えそう。この種目初の五輪入賞どころか、メダルの可能性もある。 そして、今季ベストで泉谷を凌ぐのが村竹ラシッド(JAL)だ。今季の日本選手権では雨のなか、13秒07(+0.2)と、泉谷と村竹自身が持つ日本記録(13秒04)に0.03秒に迫った。勢いが著しいだけに、パリで大化けするかもしれない。 3人目は2大会連続の五輪となる高山峻野(ゼンリン)。前回の東京大会は予選落ちだっただけに、準決勝進出を目標に掲げている。22年に13秒10をマークしているだけに、自己ベスト付近の走りを連発できれば、目標以上のステージに立てそうだ。 400mハードルも代表は3選手。中でも豊田兼(慶大)は、父親の母国(フランス)での初のオリンピアン。日本選手権では400mハードルを日本歴代3位の47秒99で優勝した後、110mハードルでハムストリングスに違和感を訴え棄権した。そこから復調し、序盤から積極的なレースができれば、決勝進出もありうる。 日本選手権でパリ五輪参加標準記録の48秒70にピタリ到達して2位に入った小川大輝(東洋大)と、今季48秒58の自己ベストを出した筒江海斗(スポーツテクノ和広)は、予選突破して準決勝で勝負できるか。 障害種目を含む中長距離種目の代表は4人。注目は東京大会3000m障害で7位に入っている三浦龍司(SUBARU)だ。その後、昨年の世界選手権では6位入賞。今季は5月のDLドーハ大会で5位(8分13秒96)。五輪参加標準記録(8分15秒00)を突破して代表に内定した。その後7月のDLパリ大会では自己3番目となる今季ベストの8分10秒52をマークして7位に入っている。 昨年出した自身の持つ日本記録(8分09秒91)を塗り替える走りができれば、前回以上の順位が見込めそう。うまく上位争いに絡めれば、目標のメダルへグッと近づく。 3000m障害では青木涼真(Honda)も2大会連続の代表。昨年の世界選手権に続く決勝進出を目指す。 10000mには太田智樹(トヨタ自動車)と葛西潤(旭化成)が出場する。自己ベストは太田が昨年12月の日本選手権で2位に入った時にマークした27分12秒53(日本歴代2位)、葛西は今年5月の日本選手権優勝時に出した27分17秒46(日本歴代4位)。 アフリカ勢を中心に26分台の選手が並ぶだけに、難しいレースが予想されるが、少しでも先頭集団に近い位置で走り、入賞争いに加わりたい。
月陸編集部