約3年ぶりにモデルチェンジした「iPad mini(A17 Pro)」を試す 外観からは分からないスペックアップでクリエイターにもお勧めの1台に
iPhone 15 Proと比べてパフォーマンスはどうなのか?
「Geekbench 6」で新しいiPad miniの性能を計測してみたところ、以下のようなスコアを記録した。 ・CPU(シングルコア):2803ポイント ・CPU(マルチコア):6600ポイント ・Compute(GPU):2万5719ポイント 当然ながら、いずれも先代のiPad miniよりも高いスコアだ。しかし、同じSoCを搭載するiPhone 15 Proシリーズと比べると一部のスコアが低いことが気になる。 “小さなiPad”であるiPad miniだが、iPhoneよりは大きい。一見すると放熱面では有利そうに思えるのだが、設計の都合で意外にも厳しいのだろうか……?
約3年ぶりのアップデートは意義深い
他のiPadシリーズと比べると、これまでのiPad miniシリーズのアップデートの頻度は低い傾向にある。生粋のiPad miniユーザーの中には「いつかiPad miniがなくなってしまうのではないか」と不安を覚えてきた人もいるかもしれない。 Appleは機種ごとの販売内訳を公表していないため、iPad miniが他のiPadシリーズと比べて売れているのかどうかは分からない。ただ、主な周辺アクセサリーである保護ケースや保護フィルムのラインアップを見る限り、iPadシリーズの中では“マイノリティー”であることは否めない。もしもAppleがミニタブレットのジャンル(=iPad mini)を必要ないと考えているのであれば、これまでに「iPad miniの新モデルを出さない」という判断はできたはずだ。 しかし、ペースが遅いとはいえ、AppleがiPad miniの投入を継続しているのは何らかの明確な理由があるのだろう。従って、今後もiPad miniへの投資は続けると思われる。 そもそも、iPad miniは機能的に他のiPadシリーズと比べて“何か”が欠けている、あるいは劣っている要素があった。これはある意味で「小型だから」と許容されていたからこそ、iPadシリーズの中で少数派になってしまったのだと筆者は考えている。 今回、A17 Proチップを搭載した新しいiPad miniは、購入しやすい価格帯とiPad Proが築いてきたクリエイター向け、あるいはプロフェッショナル向けタブレットのジャンルへの対応の両方に対応できる選択肢となった。 次のiPad miniの刷新がいつになるのかは分からないが、iPad ProやiPad Airよりも長い間、現役のカタログモデルとして継続される確率はかなり高い。ある意味で対象ユーザー、あるいは適する用途が限られている製品でもある。 そうした中にあって、iPad Proが目指してきたクリエイティブでプレミアムなタブレット端末の要素を満たしたのだから、ここは大きな節目として記憶されるモデルになるだろう。
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