「何を言われてもいい」、「言うべきことはしっかり言わないと」 山村国際が求める、上手いではない“強い”選手
そんな生明主将を支えた学生コーチ・伊原碧斗も、当時は「最初は良かったんですが、練習を重ねるごとに意見が錯乱してきた感じでした」と振り返ると、詳しい状況をこう語る。 「ついていけない選手たちが出てきて、LINEでも口論になったので、チームの方向性が少しばらけて生明は悩んでいましたね。 ただ同じ方向に行くには時間がかかるので、2人で夜に話し合って試合に勝ちたいことはブラさないまま、チームをまとめるか。みんなに直接話そうということで、強制的にやらせるんじゃなくて、本音でコミュニケーションを取りました」 だから伊原は「チームが勝つために、選手が成長するために優しい言葉だけではなくて、言い回しを変えて言うべきことはしっかり言わないといけない」と勝利のために決心していた。 それは生明主将も同じである。 「監督からは厳しい指導を受けると思っているんですが、それを乗り越えたら、付いていければいい結果が残せると思っています。だから何を言われてもいいと思っていますし、自分が下がってしまうと、チームも下がってしまうと考えています。それくらい厳しいことをやらないと、いい結果は結び付かないと思うので、まずは自分が強くならないといけないと思います」
技術だけではなく、人としても上を目指したい
大会で勝つ。そのために生明主将、伊原学生コーチたちは中心となって、バラバラになりかけたチームを、懸命にまとめなおして、石井監督とともに秋季大会を戦った。 地区予選では所沢中央に勝利すると、県大会でも春日部東に勝利。順調に大会に入ったように思われたが、続く伊奈学園戦は違った。8回終わって10対4とリードがあったものの、最終回にまさかの8失点。1点を返したが、11対12で敗れた。 「バッティングについては、しっかりバットを振れる感じはあるので心配ないんですけど、秋季大会でもエラーをしちゃいけないところでミスしない。その基礎・基本を冬場の間に徹底的にやらないといけないと思っています」(石井監督) 元々、「打ってほしいというのはありますが、確率のスポーツなので細かいところは指導しています」と守備と走塁に対して、こだわりを持って指導してきた部分だった。だからこそ、今年のチームは「守備や走塁に時間をかけて、夏場にはバッティングが仕上がってくればと思っています」と考えていた。それだけに悔しい部分もあるのだろう。