村議2人のハラスメント認定 条例に基づき初の氏名公表 千葉・長生
千葉県長生村議会は28日、同僚議員に対してハラスメント(嫌がらせ)があったとして、ハラスメント防止条例に基づき、石井俊雄(73)、石川忠夫(66)の2議員の氏名公表を決めた。阿井市郎議長が2氏を呼んで審査結果と氏名公表を通知した。ホームページで近く公表する。 同村議会では2023年5月、当時の議長が走行中の公用車内で後部座席から運転していた女性職員の髪を引っ張るなどしてけがをさせたとして傷害容疑で逮捕された。略式命令を受け、6月末に議員辞職した。これを受け、同村議会はハラスメント防止条例を同11月に全会一致で可決・施行した。今回、同条例に基づき、ハラスメントを認定。対応措置で最も重い氏名公表するのは初となる。 同僚議員が9月に申し出て、議会は審査委員会(小倉利一委員長、委員10人)を4回開き、25日に議長に結論を報告した。 同村議会によると、同僚議員は22年の村議選に立候補する際、支援を受けた石井氏に同調し、給食センター建設反対を掲げたが、初当選後は建設賛成に転じた。 認定では、同僚議員と石井氏らは話し合いを持ったが、賛成に回ったことを石井氏は納得せず同僚議員に対し、長期間、複数回に渡り「公約違反」と批判して叱責。石川氏は他県での研修の宴席で「石井氏の言うことを聞け」などと怒鳴ったという。同僚議員によると、一時体調を崩し通院したという。この問題を巡っては、議会は別の男性議員1人にも指導を行った。 石井氏と石川氏は同日、記者会見し、石井氏は「ハラスメントはやっていない。問題なのは公約違反。条例の悪用による誤った認定だ」と反論。石川氏は「全面的に受け入れる。謝罪文を提出したい」と述べた。 阿井議長は「自分たちで作った条例を破ったのは非常に残念。ハラスメント教育をやり直したい」と話した。【高橋秀郎】