28歳は女性の転機「女性にこそ学歴が必要」 中高生から自己決定力を育てる品川女子学院の教育と経営
◆「経営」は「教育」のための手段だった
---将来、学校を継いでもらうときのことを考えておられますか。 まず、同族経営のこだわりはないです。良い面もあるし、悪い面もあると思っています。 今度はみんなでやる学校にしたいと思っています。 スチューデントエージェンシーという言葉が最近出てきていますが、生徒が意思決定に関われるような学校にしていきたいです。 品川女子学院は何でも立候補制で、何をするにしても200人ぐらいパッと手を挙げてくれます。 自らやることが「格好良い」という文化ができています。 また、他校の子どもたちや、企業ともつながっていきたいです。 子どもたちがいろんな学校や企業と出会い、新たなことが何かいろいろできるのでは思っています。 ---もともと教育がやりたくて、経営はやりたくなかったそうですが、すごく楽しく経営されているように見えます。 経営は教育のための手段です。 だから、経営をあまり意識したことはなく、子どもたちのために何かしたいと思い、結果としてそれが経営という名前が付いたものだったのでしょう。 品川女子学院の事業承継でいえば、自分のできることは最大限にやらせてもらえたんじゃないかなと思っています。
■漆紫穂子さんプロフィール
1961年、東京生まれ。早稲田大学国語国文学科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科を経て私立中高一貫校で国語科教員として勤務。1989年から曽祖母が創設した品川中学校・高等学校(現・品川女子学院)に入職し、中等教育の学校運営に携わり、2006年から6代目校長を務める。多くの学校改革や、同校で提唱する「28プロジェクト」などのライフデザイン教育が各界から注目さる。2017年から理事長に就任。