輪島の御陣乗太鼓の打ち初め、避難先で守り続けた力強い響き
石川県の無形民俗文化財・御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)の打ち初めが2日、発祥地の輪島市名舟町の集会所で行われた。住民らは能登半島地震後も「地元の伝統文化を守り続ける」と市外で練習を続け、この日は力強い音を響かせた。
打ち初めは例年1月2日に地元の神社で行われてきたが、地震で拝殿などが壊れたため、昨年は3月に白山市の神社で行われた。今年は壁や天井が壊れたままの名舟町の集会所に50人以上の住民が集まり、子どもから大人まで十数人が交代でばちを握って、手を広げたり舞ったりしながら太鼓をたたいた。
地震で金沢市に避難している男子児童(12)は「思い切りたたけて楽しかった」と笑顔を見せていた。御陣乗太鼓保存会事務局長の槌谷博之さん(57)は「太鼓があるから若者が戻ってくる。地元で打ち初めができてよかった」と話していた。