全国知事会“緊急要請”見送りも…減収への懸念訴え 総務相は「税収減 現実的に考え議論を」
村上総務相は11月19日の閣議後会見でいわゆる「年収の壁」の見直しについて「減収を現実的に考えることが重要」だと強調しました。 会見で村上総務相は「それぞれの知事は非常に聡明で、それぞれの地方財政を預かっているわけけで、当然、4兆円近い減収があった時にどうなるかということは各知事がそれぞれの立場で発言するのではないか。税収が減ることに対して、今後どうなるかということを本当に皆さんが現実的に考えて議論してもらうことが重要」だと述べました。 「年収の壁」の見直しによって国と地方の合計で年間7兆6000億円程度の税収減が見込まれるとして、政府や全国知事会が懸念を示す中、堀潤は全国知事会が19日に自民党の総務部会に対し、緊急要請を行うという情報を先週キャッチしていました。その内容は「年収の壁」の引き上げなどによって懸念される地方財政への影響に十分配慮することを強く求めるというものでした。この緊急要請の名義は全国知事会の村井会長と地方財政常任委員会で委員長を務める宮崎県の河野知事となっていて、宮崎県の担当者は14日には要請の作成を認めていました。 ところが全国知事会の担当者は18日、TOKYO MXの取材に対し「一部報道が出ていた要請について確かに関係する自治体に連絡していたが、調整がつかず、まだお出しするタイミングではない」として、緊急要請については見送ったと説明しました。 19日に自民党本部で開かれた総務部会には入手した文書の通り、宮崎県の河野知事の姿がありました。ただ、緊急要請の提出については否定しました。河野知事は「文書では提出していない。口頭で」と述べ、さらに“たたき台にあった3点を口頭で伝えたのか”と記者が問うと「これまでもお伝えしている内容」「地方税の減収につながりかねないというところ、そして行政サービスに大きな影響が生じるということで、知事会としてもそうだし、(参加した)他の地方6団体全てが懸念を示した」と述べました。 さらに河野知事は自民党や公明党の議員を回り、地方の財源確保や公立病院の経営安定に向けた支援などを求める要請書を手渡していて、「年収の壁」についても口頭で要請したものとみられます。