なぜプロ野球で野手の衝突事故が起きるのか
■メジャーでは多くないこういった事故 この手の衝突事故は、実は、メジャーではそう多くない。それには環境の違いが大きい。メジャーでは、日本のような鳴り物入りの応援は行わず、ウェーブなどの連帯した遊びは大好きで行うが、プレーの最中は邪魔をするほどの歓声は上げない。メジャーでも守備において「アイガリ!(任せろ)」と大きな声をかけるのが、基本中の基本で、しかも、比較的に声は通るので、大きな衝突事故は、日本のプロ野球ほど生まれない。 だが、日本では、コンバットマーチのような応援が、ずっと続き、特に屋根のある東京ドームでは、大歓声がこもって、目の前にいる選手と満足に会話ができないほどだという。打球の飛ぶ場所に、事前の準備不足、そして、大歓声という悪条件が重なったときに、衝突という事故の起きてしまう可能性が生まれるのかもしれない。 何もすべてメジャーを礼賛するわけでなく、日本流の応援の流儀も素晴らしいと思うが、せめて、ピッチャーがセットに入れば、鳴り物入りの応援をやめるくらいのエチケットを持ち合わせてもいいのではないか。こういう悲惨な事故が起きると、そんなことを考えてしまう。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)