進化を遂げる医療の世界に「スーパードクター」…常識を超える技術と熱意!最新スーパードクターファイル
スーパードクターファイルNo.3「富山大学附属病院 膵臓・胆道センター」
<膵臓がん患者 最後の砦> 膵臓がんの5年生存率は、他の主ながんに比べてひときわ低く男性8.9%、女性8.1%と言われています。その原因は大きく2つあるそうです。1つは、胃の裏にあるため早期発見がとても難しいこと。そして、もう1つは進行が非常に早く転移しやすいこと。一般的に膵臓がん患者の半分以上に転移があるそうです。そんな膵臓がん患者の最後の砦と呼ばれているのが、富山大学附属病院膵臓・胆道センターです。 <富山大学附属病院 膵臓・胆道センターの5年生存率> 富山大学附属病院膵臓・胆道センターでは、切除可能な膵臓がん患者の5年生存率が約40%。切除が難しい膵臓がん患者は、約3割が抗がん剤などで小さくして切除可能に。その場合、十分な術前治療が行われているため5年生存率は約60%と高い数値になっています。 <膵臓がんを見つけるスペシャリスト「内科医 安田一朗」 膵臓・胆道センターの副センター長で内科医の安田一朗先生は、膵臓がんを見つけるスペシャリスト。超音波内視鏡の第一人者でもあります。超音波内視鏡とは、口から入れて胃の裏側にある膵臓の状態を超音波で調べる検査機器。小さな膵臓の腫瘍を見つける上では、一番精度が高い検査だと言われているのだとか。ただし、知識と経験がないと操作が難しい検査でもあるそうです。安田先生は、日本に導入される前からこの検査に注目。単身ドイツに渡って技術を身につけ、今では50人以上の弟子がいるそうです。もちろん、その技術は日本一。「安田に見つけられない膵臓がんはない」とも言われています。 <日本一諦めが悪い外科医「藤井努」> 膵臓・胆道センターのセンター長である藤井努先生は、膵臓がん手術のスペシャリスト。難易度の高い膵臓がん患者を数多く手術し治療してきました。藤井先生の真骨頂は、患部を切除した後の再建。膵臓がんの手術は、がんがある部分・胆のう・十二指腸を切除し、持ち上げた小腸に胆管・膵臓・胃をつなげます。この時に膵臓から膵液が漏れ合併症を引き起こす事が、5年生存率が低い理由の1つでもあるのだとか。そこで藤井先生は、膵液が漏れにくくなるように、腸をラップするように縫う方法を考案。この吻合方法を使ってから、膵液が漏れるケースが約10分の1に減ったそうです。 <膵臓がん5年生存率 劇的UPの理由> 膵臓がんのスペシャリストの存在以外にも、富山大学附属病院が5年生存率を上げている理由があります。それは、内科と外科の垣根を完全になくす事。患者の情報を共有し意見を出し合う「カンファレンス」という場にも、外科医・内科医など違う科の医師たちが一堂に会します。これは、一般的には珍しい事だそうです。また、膵臓がんの患者さんが来たら外科・内科どちらの医師が診ても良く、それにより検査なども迅速に進められるのだとか。これらは全て、治療を急ぐ患者さんのため。そして、膵臓がんの手術は早くて5~6時間。長いと15~16時間かかる事もありますが、富山大学附属病院ではレベルの高いチームを3つ用意し、交代しながら行う事で精度の高い手術を行っているそうです。(※紹介状の有無は問いませんが無い場合は特別料金7000円が必要になります) (2024年8月18日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
CBCテレビ